【エリザベス女王杯】明らかな変化!実績馬3頭〝復活の伏線〟を見逃すな
[GⅠエリザベス女王杯=2024年11月10日(日曜)3歳上牝、京都競馬場・芝外2200メートル] 結果が出ていない馬の復活には必ず〝伏線〟がある。前もってそれに気付ければ…。後悔する前にチェックしたいのが新搭載の「記者メモ」。レース前の厩舎コメントには載せきれなかった中間の陣営の動きが手に取るように分かるからだ。 エリザベス女王杯に出走するGⅠウイナーの一頭、スタニングローズ(牝5・高野)は一昨年の秋華賞以来、スランプに陥っているが、今回は調整法を変えてきた。先週の取材メモには高野調教師のこんな話が書き込まれている。 「(今までと違い)本追い切りを4本やれる状況で入厩させてもらって最初の2週はしまいをシッカリと動かす調教をしました。1週前追いはそこまでビシッとした調教をやるつもりはなかったけど、無理をせずに好時計が出たように今は本当に具合がいい」 このいきさつを知った上で、レース前の厩舎コメント「今週の稽古はジョッキーに乗ってもらって自分からハミを取ってくれて鞍上もグッドコンディションと言ってくれた」(小川陽助手)を読むと、変化がいい方に向いているのが分かる。 一昨年のエリザベス女王杯が2着同着、昨年も4着と好走しているライラック(牝5・相沢)も今年は10、14、13着と不振。取材メモによると、中間はまず10月14日に「フォーム矯正へ取り組んでいる」というメモがあり、さらに先週にはこんな書き込み。 前走府中牝馬S後「カイ食いがいい」と三尾助手。「普段は午前中に少しでも手を付けてたらいいやくらいだったのが、今は午前中もしっかり食べる。体重が増えないか心配なくらい」 明らかな〝変化〟は復活の予兆かもしれない。 昨年のオークス2着、エリザベス女王杯3着のハーパー(牝4・友道)も今春は大阪杯13着、ヴィクトリアマイル15着と苦しんだ。しかし、9月に帰厩した時の取材メモには、陣営が原因を「昨秋に頑張った分の疲労があって、今年の春は本来の走りができなかった。特に精神面の部分が厳しかったですね」と分析していることが書かれている。そして、府中牝馬Sの前には「ヴィクトリアマイル出走時とは走りが全く違う。リフレッシュ効果が大きい」という調教班のジャッジ。期待を抱かせたそのレースは15着に終わったが、大一番を前に今週、こんなメモが追加された。 「センスがいい競馬をするし、調教で抜群に動くので忘れがちだけど、意外とズブイところがあって、勝負どころで積極的にうながしていかないといけない馬。ジョッキーが2度目で調教とは違う馬の特徴を知ってくれたことは地味に大きいと思う。ブリンカーも着用するし、あとは気持ちだけ」 最後の言葉は体調に問題がないことを物語っている。武豊の連続騎乗とブリンカーで本来の姿が戻れば、淀で再び輝くシーンが見られそうだ。
東スポ競馬編集部