15万円のランドセルを購入したら、援助してくれると言っていた夫の両親が半額しか払ってくれませんでした。強欲なように言われて悔しく許せません。
何かとお金がかかる子育て。親からの支援はありがたいものですが、つきあい方を間違えると、深い溝が残ってしまうことも。年末年始の帰省で起きた夫婦間トラブル体験談を、夫婦カウンセラー・原嶋めぐみさんのアドバイスとともにお届けするプチ連載。正月の帰省で、息子のランドセル購入資金をめぐり、腑に落ちないことがあったという30代女性の悩みを聞きます。 【写真】「気持ち悪すぎ」の声も 夫vs妻の洗濯物の干し方 実際の投稿 ◇ ◇ ◇
「好きなものを買え」と言ってくれたはずなのに…
東京在住の竹中朱里さん(仮名・30代)には、年末年始になると思い返して、イライラがぶり返してしまうことがあるといいます。それは、長男の小学校入学を翌年に控えていたときのことでした。 正月で帰省していた朱里さんが「そろそろランドセルの準備をしないと」と話していたところ、それを聞いた夫の両親から「ランドセル代を払うから、好きなものを買ってね」と言われたそうです。 「ラッキー! と思って、ずっと狙っていたある皮革カバンメーカーのランドセルを予約購入したんです。価格は15万円ほどでした」 その後、かかった費用を夫から伝えてもらったところ、なんと両親が支払いに難色を示したのです。「ランドセルなんて、4~5万円で買えるでしょう? そんな金額出せないわ」という言葉が返ってきたといいます。 「好きなものを買ってと言ったのは義両親なのだから、ちゃんとお金を払ってもらいたいと夫にこぼしたんです。そうしたら『自分勝手に高いのを買ったからだろ』と、逆に叱られてしまいました。もう腹が立って、腹が立って……」 結局、半額の8万円だけもらうことができました。しかし「年金暮らしだから身分相応なものしか贈ることができないので、今後はきちんとこちらの予算を伝える」と言われ、恥ずかしい思いをしたという朱里さん。 「まるで私が強欲なように言われて悔しいです。夫の両親はもちろんですが、夫のことも許せません」
常識にのっとった答えを用意するのが大人のマナー
原嶋さんはまず、朱里さんの行動にも改善すべき点があったといさめます。 「あらかじめ『予算はいくらぐらいを考えればいいですか?』と聞いておくべきだったと思います。たとえ半額でも出してくれたのですから、いい義父母さんじゃないですか。恨みに思う必要はないと思いますよ」 その一方で、夫とはきちんと話し合ったほうがいいとアドバイスします。 「そもそも、『そのランドセルを欲しかったのは誰なのか?』がポイントになると思います。朱里さん自身が『高いものを与えてあげたかった』のか、子どもが『欲しがった』のか。前者なら、夫の言うことも一理あります」 ランドセル工業会が2024年に行った調査によると、ランドセルの平均価格は約6万円。朱里さんが選んだ15万円のランドセルは、高額な部類に入ります。確かに、これを朱里さんの一存で購入したのであれば、夫から「年金で暮らす俺の両親に対して、思いやりのない行為」ととらえられてしまっても、仕方がないことかもしれません。 「すでに数年経過しているとのことなので、『それぞれお互いに悪いところがあったんだ』と思って、水に流してはいかがでしょうか。年始のたびにイライラしてしまうのはもったいないですからね。それに、子どもはまだまだこれからお金がかかります。少額であっても援助を期待したいなら、仲良くしておいて損はありませんよ」
和栗 恵