発達障害の人がやりがちな「抜け漏れ」「先送り」「段取りミス」を〈紙1枚〉で解消する「すごい方法」
抜け漏れ、先送り、過度な自責傾向……など、発達障害がある人は、その特性ゆえにに職場でさまざまな困りごとを抱える傾向にあるのは前編記事〈発達障害の人が仕事で「しくじる」のにはワケがある…本人も周囲も困らせる「5大特性」〉で解説した。 【図表を一気に見る】発達障害の人がやりがちなミスを〈紙1枚〉で防ぐ「すごい方法」 そんな人におすすめしたいのが、『発達障害の僕らが生き抜くための「紙1枚」仕事術』の著者、小鳥遊(たかなし)氏が考案した「タスク管理術」だ。発達障害の人が抱える苦手を1つひとつカバーするための工夫が「紙1枚」に詰まったその技法の詳細を、本人にくわしく解説してもらった。
「紙1枚」の使い方は4ステップ
まずは、「紙1枚」の基本的な使い方について説明します。といっても、ベースとなるステップは次の4つだけです。 ステップ1:タスクに名前をつける ステップ2:タスクをサブタスクに分解する ステップ3:サブタスクのステータスに〇をつける ステップ4:タスク・サブタスクの着手日と締切日を決める これらのステップを1つずつご紹介します。 ステップ1:タスクに名前をつける タスクが発生したら、まずそのタスクに名前をつけます。「田中商事に見積書を送付する」や「社員の新しい名刺を作成し上司のBさんに提出する」など、「これが終われば、この仕事は完了!」と言い切れる最終的なゴールがタスクの名前となります。 タスクの名前は、完了したかどうかが明確に判断できる具体的な行動を示す言葉を使うようにしましょう。
タスクの工程をできるだけ細かく分解
ステップ2:タスクをサブタスクに分解する タスクの名前(最終的なゴール)が決まったら、そのタスクを完了させるために必要な工程をすべて洗い出し、「サブタスク」として「紙1枚」に書き込みます。ですので、サブタスクとは、タスクの工程を細かく分解したものと考えてください。 タスクと同様にサブタスクも、具体的な行動を示す言葉を使うようにしましょう。 この際、サブタスクは細かく分解すればするほど、タスクを完遂する心理的なハードルを下げることができます。基準としては、「これならできる!」と自分で思えるくらい細かくなっているかどうかです。 イメージは、1つのサブタスクが「Cさんに、この資料に入れるべき項目がこれですべてかどうか聞く」くらいの細かさになっているのがベストです。「ちょっと細かくしすぎかな?」と思うくらいが丁度いいです。 また、すべての工程が洗い出せているか不安だったり、どんな工程が必要かわからなかったりする場合は、「これで合ってますか?」「この次は何ですか?」と上司や同僚に「紙1枚」を見せながら聞きに行きましょう。