異例の強い表現で巨人・国松球団社長がセ連覇&13年ぶり日本一へ士気高める「補強した今年の戦力を考えるならば」
13年ぶり日本一を目指す阿部巨人に大号令だ。巨人は6日、東京・大手町の球団事務所で2025年の仕事始めを行った。今オフは前中日のライデル・マルティネス投手(28)や前楽天の田中将大投手(36)らを大補強。職員を前に訓示した国松徹球団社長は「今年の戦力を考えるならば勝ってしかるべき」と頂点奪取を厳命した。巳(み)年は1リーグ時代を含め、過去7度で6度優勝。吉兆データも追い風にして真の常勝軍団を目指す。 新年早々、阿部巨人に至上命令が下った。球団事務所で行った仕事始め式。約100人の職員を前に年頭あいさつをした国松社長が語気を強めた。「補強した今年の戦力を考えるならば勝ってしかるべきで、リーグ2連覇、その上の日本一を目指していきたいと思っています」。13年ぶりの日本一は必達目標。何が何でも頂点を取る。「しかるべき」という異例の強い表現で士気を高めて一致団結した。 創設90周年の昨年は大混戦を制して4年ぶりにリーグ優勝も、日本シリーズ進出を逃した。球団はオフに大補強。投手では前中日の守護神マルティネス、前楽天の田中将、捕手はFAでソフトバンクから甲斐を獲得した。最重要課題の攻撃力アップへ左の強打者キャベッジとも契約。現役時代から連覇の難しさを知り「昨年と同じメンバーじゃ優勝できない」と強化を熱望していた阿部監督は、「本当にいい補強をしてもらった」と話していた。 2025年は巳年。国松社長は訓示の中で「巳年の巨人軍の成績を振り返ると、(1950年の)2リーグ制以降6回のうち5回がリーグ優勝で、3度日本一になっています。非常に縁起の良い年回りです」と吉兆データも紹介した。1リーグ時代の1941年の優勝も含めれば、球団史で過去7度ある巳年で6度の優勝。仕事始め式は例年通り職員のみ参加で首脳陣や選手の姿はなかったが、現場と思いは同じ。球団事務所は気力に満ちた明るい雰囲気に包まれた。 目指すは令和の常勝軍団だ。12年の最後の日本一から十二支が一回りした。9年連続日本一の「V9」など輝かしい実績がある巨人。新たな歴史の構築へ、阿部監督は「そういう常勝という軌道に、多少でも乗れるようにと思っている」と先も見据え、昨年は浅野らを積極起用した。若手と大補強の新戦力、ベテランが融合すれば大きな力になる。 キャプテン制を廃止して全員が主将の意識で臨むことを求める指揮官。それが実現すれば「とてつもないチームになる。4連覇、5連覇ってできると思う」と、チームの伸びしろに期待感を示していた。95周年、その先の100周年に向けて勝ち続ける。球団社長の大号令で勝負の一年がスタートした。(片岡 優帆) ◆2リーグ制後の巳年の巨人 ▽1953年 リーグ&日本S3連覇 ▽65年 2年ぶり日本一。V9初年度 ▽77年 王50発で優勝も日本S敗退 ▽89年 日本S3連敗から4連勝 ▽2001年 リーグ2位で長嶋監督退任 ▽13年 リーグ連覇も日本一ならず
報知新聞社