尹大統領の側近次々辞任で窮地に…韓国“戒厳令”で軍が国会突入も6時間で解除 野党は辞職要求し応じない場合“弾劾”へ 石破首相「在留日本人の安全に万全を」
韓国の尹錫悦大統領が非常戒厳を宣言し、戒厳司令部が一切の政治活動などを禁じるとしましたが、その後、宣言は解除された。野党は内乱行為だと強く非難し、弾劾の手続きを行うとしている。
「非常戒厳」宣言…野党は尹大統領を弾劾へ
尹大統領は3日夜、最大野党「共に民主党」が国政をまひさせているとして「非常戒厳」を宣言し、一切の政治活動を禁じると宣告した戒厳司令部の部隊が国会の建物に突入する事態となった。 国会には、政府に抗議する市民も多数集まる中、「非常戒厳」は解除要求決議案の可決を受け宣言から約6時間後に解除された。 国会で過半数を占める「共に民主党」は尹大統領の辞職を求めることを決め、これに応じない場合、弾劾の手続きを行うとしている。弾劾案は国会に提出されると72時間以内に採決が行われることになっている。 こうした中、一連の騒動を受けて大統領府の室長と首席秘書官ら約10人が一斉に辞意を表明した。
大勢の市民が国会前で尹大統領を強く非難
3日夜から国会前に集まった市民は一夜明けた、4日午前11時半現在も尹大統領を強く非難する声を上げ続けている。韓国の国会前から一之瀬記者に伝えてもらう。 4日朝の韓国紙は「理性を失った非常戒厳私たちは反対する」と1面に社説を掲載する異例の形で尹大統領を批判している。 最大野党「共に民主党」は、即刻退陣しなければ弾劾手続きに入る考えを示している。早ければ4日にも弾劾案を発議し、5日、国会の本会議に報告したいとしている。 弾劾が成立するには、与党から造反議員が少なくとも8人以上必要だが、与党の代表は尹大統領に対し「惨憺たる状況について直接説明しなければならない」と厳しい姿勢を示していることから与党議員の動向にも注目が集まっている。 また、韓国の通信社「聯合ニュース」は、最大野党「共に民主党」の話として武装した兵士が国会に侵入した際、与野党の代表や議長を逮捕しようとする動きが監視カメラで確認されたと伝えている。 国会対策に行き詰まり、非常戒厳に踏み切った尹大統領の求心力の低下は避けられず、政治的な混乱が続くとみられる。