【年収の壁】どうなる“103万円の壁” 「掛け持ちしたいけど…」 石破首相が引き上げ表明へ 期待と懸念 《新潟》
TeNYテレビ新潟
最近よく耳にする年収の壁についてです。このうち石破首相は11月29日の所信表明演説で“103万円の壁”の引き上げを表明する考えです。働く人には朗報ですが、行政サービスを提供する自治体からは懸念の声が上がっています。 新潟駅前にある居酒屋です。 ここでアルバイトをしている20歳の学生。年末が近づき気にしていたのは… 〈学生アルバイト〉 「103万円を超えないように努力はしてます」 年収の壁です。 学生の場合、103万円を超えると扶養から外れるため、親の税負担が増え手取りが減ることになります。 〈学生アルバイト〉 「(親からは)超えないようにしなって言われます」 「すごく出費がでちゃうから足りないですね正直、今は」 店に来ていた客からも… Q)お子さんが超えるか超えないか 「気にしますね。壁はよろしくない」 仮に“壁”が引き上げられれば、労働者は税負担を気にせずより働けるようになります。 年収の壁をめぐって石破首相は29日の所信表明演説で「103万円の壁の引き上げ」を表明する考えです。 こうした動きに懸念の声を上げたのが全国の知事たちです。 〈鳥取県 平井伸治知事〉 「もしこれがなされた場合、(県の)子育て予算の半分がすっとんでしまうそれほど大きな一般財源へのインパクトがある」 〈山梨県 長崎幸太郎知事〉 「103万円の壁の減収の補填はマスト、恒久的措置だとすれば補填も恒久的措置でやるべき」 仮に、国民民主党が主張する「178万円」までの引き上げを実現した場合、地方自治体の税収は4兆円ほど減ると試算されています。 そのため全国の知事たちは恒久的な減税とするならば財政支援も恒久的な措置とするよう国に要望しています。 〈新潟県 花角英世知事〉 「県税だけで250億くらいいきそうですし、 市町村いれると700億円くらいという試算もある。これは“はい そうですか”にならない。支出を250億円落とさなきゃいけない。いろんなところに影響が出て来ますよ」 新潟駅前の居酒屋です。 頭を抱えていたのは学生だけではありません。 〈ぶた家 大野呼人店長〉 「人手は…ちょっと困ってますね。繁忙期に向けて出られなくなる子が増えてくるので」 これから迎える忘年会シーズンの人手の確保です。 10月の最低賃金の引き上げに伴い、店では時給を1000円から1100円に…。上昇に伴い、103万円に届きそうなアルバイトも増えたといいます。 先ほどの学生も12月は3回しかシフトに入れないといいます。 〈学生アルバイト〉 「もっと掛け持ちしたいけど、しちゃうと超えちゃうから今は我慢してます」 中には奨学金をもらいながら働く学生もいるといいます。 〈ぶた家 大野呼人店長〉 「僕らもそうですけど僕らよりは本人たちの方が上がってくれるなら早くという感じだと思います。上げていただけるなら上げてほしいですね、みんなうれしいと思うので」 期待と懸念が交錯する103万円の壁の引き上げ。 国会で本格的な議論が始まります。