記者が選ぶソフトバンク「10、11月のMIP」は…好判断で一塁から本塁へ快走・先発転向1年目で活躍
プロ野球はSMBC日本シリーズが終了した。ソフトバンクはDeNAに2勝4敗で屈し、目標の日本一は果たせなかった。しかし、クライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージを含めたポストシーズンの戦いぶりは、ファンを楽しませた。今季の最終回となる10、11月で、2人の担当記者が、それぞれ最も印象に残った選手(MIP=モスト・インプレッシブ・プレーヤー)に選んだのは、周東佑京選手(28)とリバン・モイネロ投手(28)だ。 【写真】日本シリーズ進出を決め、喜びを爆発させるソフトバンクの選手たち
周東佑京選手
10月26日の日本シリーズ第1戦。九回一死一、二塁で今宮健太選手(33)が右越えの二塁打を放った。周東選手は「打球判断がよかった」と自画自賛するスタートを切った。前の走者に追いつきそうになりながら一塁から一気に本塁を突き、追加点につなげた。
だが、その快走の裏で、左膝には3月から痛みを抱えていた。炎症によるものといい、日本シリーズには痛みを抑える注射を打って臨んだ。「痛いとか痛くないとか、そういうのは(言わなくて)いい」。ポストシーズンの全9試合にフル出場した。
育成選手として2018年に入団し、翌年に支配下登録された。日本代表「侍ジャパン」のメンバーにも選ばれたが、選手層の厚いチームの中でなかなかレギュラーをつかめなかった。
今季は中堅に固定され、レギュラーシーズンでは自己最多の123試合に出場。俊足を生かした広い守備範囲で何度も味方を救った。課題だった打力も向上し、打率はリーグ7位の2割6分9厘をマークした。41個の盗塁を決めて3度目の盗塁王に輝いた。
新たに選手会長も務めた。ベテランの中村晃選手(35)は周東選手について「チームを引っ張っていこうっていう姿勢が見られた。まずは、戦い抜いたところが良かった」と評した。
ただ、本人は満足していない。「結局、健太さんや晃さんらに引っ張ってもらっていた」。技量をさらに磨き、チームを牽引する選手を目指す。(渡辺直樹)