記者が選ぶソフトバンク「10、11月のMIP」は…好判断で一塁から本塁へ快走・先発転向1年目で活躍
リバン・モイネロ投手
日本シリーズ第2戦の登板前、モイネロ投手はこう宣言した。「僕で負けるわけにはいかないし、僕が負けるわけがないという気持ち。そのくらい自信をもって準備ができている」。言葉通りに三回まで無安打投球を披露し、七回途中3失点で勝利に貢献した。
キューバ出身の左腕は、先発転向1年目で首脳陣の期待を超える活躍を見せた。リーグトップの防御率1・88でタイトルを獲得し、チーム2番目の11勝をマーク。倉野信次投手コーチ(50)は「想像以上。まさか軸の一人になるとは」と手放しでたたえた。
長いイニングを投げて球速を落とさないようにスタミナ強化を図った。週に2、3回は自ら「嫌い」と認める30分間のランニングを取り入れ、坂道を走るなど工夫もして持久力をつけた。倉野コーチは「取り組みがすごくしっかりしていた。初めて先発で回るとは思えないほどルーチンも決まっていた」と語る。
「考え方もまとまって、シーズン終盤のほうがいい準備ができた」とモイネロ投手。育成選手として2017年に入団してから8年目。今春には、2025年から4年間の大型契約を結んだことが発表されている。来シーズン以降も、お立ち台で日本語を披露し、ファンを和ませる姿を数多く見せてくれるだろう。(平島さおり)