人間関係に「正解」はあるのか?【里崎智也×五十嵐亮太のライフハックベースボール!】第23回
里崎智也×五十嵐亮太のライフハックベースボール! 日本を代表するレジェンドプレイヤーの2人が、野球からの学びをライフハックに翻訳、「生き抜く知恵」を惜しげもなく大公開。連載の第23回では、「人間関係のあり方」に関する考え方に迫ります! 【写真】里崎智也×五十嵐亮太 対談フォトギャラリー ■コミュニティーが大きくなるほど人間関係は希薄に ――前回は、「地方暮らしの人と、都会暮らしの人とでは、友人関係のあり方が異なる」という話題となりました。あらためて、その続きからお願いします。 五十嵐 前回、サトさんは「地方の方たちは昔からずっと同じコミュニティーで完結しているから、人と人との距離感が近い」と言ってましたね。それは人の温かさや優しさを感じられるかもしれないけど、その反面で「人と人とが近すぎる」というのか、息苦しさを覚えたり、退屈さを感じたりしそうです。 里崎 でも、他の場所での生活を知らなければ比較しようもないわけでしょ。都会と比べたら、田舎で暮らすとこは確かに刺激が少ないかもしれない。でも、そこでの生活が自分にとってのすべてであれば「そういうものだ」としか思わないだろうし、都会暮らしと比較することもないから「退屈だ」とか「つまらない」とも感じないと思うけどな。 五十嵐 でも、「知らない世界があるのなら、知ってみたい」という思いにはならないのかな? 僕だったら、「もっと広い世界を見てみたい」と思うけど。 里崎 若い頃にはそういう思いを持って都会に出る人もいると思うけど、やっぱり自分が育ってきた環境、生活圏で過ごすことに居心地のよさを感じる人は多いと思うけどな。そこで生まれて、地元の高校、人によっては大学を経て就職して、結婚して子育てをする。そして、その子どもも自分と同じ小学校に入学する......。遊び場にしても、飲み屋にしても、行く場所が決まっている。もちろん、みんながその形になるわけではないけど、ずっとそこで生きてきた人にとって居心地がいいのは間違いないはずだよね。 五十嵐 本題に戻るけど、そうなると「友だち」というとらえ方が、都会の人と、地方で暮らす人とは根本的に異なりますね。コミュニティーが小さければ小さいほど、人と人との距離感は近くなるし、それぞれの存在感も大きくなるだろうし。 里崎 東京の場合、例えばベッドタウンである千葉、埼玉、神奈川などからも通勤や通学でやってくる。その人たちは、仕事や学校が終わればそれぞれの地元に帰って、また翌日に東京にやってくる。生活圏と、仕事や学校圏のコミュニティーが広すぎるから、人間関係が希薄にならざるを得ない。そうなると、「友だち」に対する意識も変わってくるよね。