伍代夏子さん、のどの病を乗り越え「気持ちを作り、表情を作り、声を作り」歌う 〈インタビュー前編〉 坂本真子の『音楽魂』
歌手の伍代夏子さんが、10月30日にシングル「渋谷百年総踊り」を出しました。渋谷で生まれ育ち、「渋谷の祭りといえばこの歌、という曲に育てたい」と話す伍代さんは、被災地支援や国際交流、動物保護活動などでも知られています。インタビュー前編では、新曲の話や歌うときに大切にしていること、3年前に公表したのどの病気について語ります。 【画像】もっと写真を見る(7枚)
新曲「渋谷百年総踊り」は、沖縄・石垣島出身の3人組、BEGINの作品です。上京してから暮らした渋谷への感謝の思いを込めたという楽曲を、渋谷で生まれ育った伍代さんが歌っています。にぎやかで楽しい作品です。 「BEGINさんのアルバムにある新曲で、渋谷を第2のふるさとと思ってくださっているとうかがって、うれしかったですね。渋谷の歌として残ったらうれしい、というお気持ちもうれしくて、ゆかりのある人、もしくは渋谷の中で歌い継がれればとおっしゃっていたので、これは絶対に私の役目だと思いました。渋谷の祭りといえばこの歌、という曲に育てていきたいですし、残さなくてはいけないという使命感に燃えています」 伍代さんにとって渋谷は、子どもの頃の思い出がたくさん詰まっている場所。今も暮らす大切な街です。 「私が三つのときにNHK放送センターができて、当時は駅から遠くまで見渡せました。小さい頃は富ケ谷や代々木公園、代々木八幡の辺りで遊んでいました。緑も多かったですよ。競技場でスケートをしたり泳いだりしましたし、NHK放送センターは走り回る場所でした」 今も仕事などで渋谷を数日離れた後、代々木公園のそばを通り、「SHIBUYA109」を目にすると、「ああ、帰ってきたな」と実感します。 「子どもの頃から慣れ親しんだ、ふるさとなんでしょうね」 伍代さんは、お祭りが大好きな少女でもありました。 「風に乗って祭り囃子(ばやし)が聞こえてくると、わくわくしました。近くの子どもたちと一緒に練り歩いて、子ども用の山車(だし)の上にときどき交代で乗って、太鼓を叩いて、おみこしと一緒に神社へ向かいました。毎年夏には盆踊り大会があって、私はいつも最後まで踊っていて親が心配して探しに来ていました。炭坑節や東京音頭の振りは体に染みついていますし、『渋谷百年総踊り』も歌い継がれていくといいなぁ、と思います」