【全文】自民・野田聖子前総務会長が会見(下)
さて、私が総理大臣になったら大変だという話ですが、うーん、実は私の場合は、50歳で今の子供を授かりました。で、普通の子供ではなく、大変重度な障害を持っていますので、育児と24時間の在宅での看護という2つをしょい込んで、夫婦であくせくやっているんですけれども、その中で私が思ったことは、女性のロールモデルになりたいのであれば、いたずらに働き過ぎないということだと。 要は例えば今ですと、総務会長のときも朝8時からの会議は極力出ないようにしています。なぜかと言うと若いご夫妻で小さな子供を持っている人たちは、朝の時間が一番忙しいんですね。子供を起こして顔を洗わせて歯を磨いてご飯を食べさせてお弁当を作ってお着替えを入れて、そして送り出す。この時間がやっぱり一番親にとっては、子供との触れ合いであり、そしてirritationの時間であり。 でもこれは、やっぱりその親しかできないこと、親がやらなければならないことなので、そういうところに会議を入れてしまうとか、そういう発想はやっぱりあってはならないっていうことで、私はあえてそういう早朝の会議に出ないようにしています。ですから逆に言うと私が総理大臣になったら、やっぱりそういう子供を持つ女性ができる働き方を、自らトップリーダーとしてつくっていく。朝8時からの会議はしないとか。 それにやっぱり生産性を上げる意味ではもう、だらだら働くことは意味がないと思っています。そういうことをやっぱり、男性はそういうことを無視して働けるけど、やっぱり女性の場合はそれができないっていうことが、やっぱり現実的にその社会生活に溶け込んでいくことのほうが非常に有効的だと思うので、一部批判はあるでしょう。怠け者という人もいるかもしれませんが、やはり全ての女性が働けるようにするために、そういう努力をしていけるんではないかと思っています。 一部の有能な女性を取り上げることはよしとしません。全ての女性、全ての望んでいる女性が社会人として普通に生きていける環境づくりというのは、そういうことなんじゃないかなと。今までやっぱり私自身もですけど、政治の世界は男の世界だから男になれと、女性を捨てろと、男以上に働けと、休むなと言われて40歳ぐらいまで頑張ってきましたけれども、そこに残ったものは何もないんですね。 むしろそういうことを私たちがしたからこそ今、日本の国策上問題になってる少子化、介護の問題。全てこれ、女性が主体なんですね。保育士さんにしても介護士さんにしても看護師さんにしても、マジョリティーは女性なんですね。そういうところがやっぱりこれからの国を左右する大きな問題になっているとするならば、やっぱり私たちが男性主導になっていたということは大いに反省しなきゃいけない。 だからこれからのトップリーダーたる女性たちは、率先してやっぱり頑張らないって言い方はないけど、全ての女性がアジャストできるような働き方を見せていかなくちゃならない。これがやっぱり義務だと思います。