【全文】自民・野田聖子前総務会長が会見(下)
「同一労働同一賃金」民主党提案の概念では?
記者2:先ほど同一労働同一賃金の話をされたと思うんでございますが、もし私が間違ってたら恐縮なんですけど、これはもともと民主党が提案した概念ではないかと思うんでございます。この考え、同一労働同一賃金におきましては、自民党内にはどれぐらいの支持があるんでしょうか。 野田:今日初めて、私の政策としてお話しいたしました。本来、総裁選があればそこで、私の政策の1つとして皆さんに公表しようと思ってたものです。 ただ、やはり正規の割合がどんどん深刻化する中で、やっぱりその人たちがちゃんと生きていけるためには、その手立て以外なかなかみつからない。民主党とかそういうことは全然関係なく、やはり総合的に見た中で、非正規が減らないというのであればこれは合わせ技でやっていかないと、この国の、特に若い人たちの生活基盤が失われると。そういう思いで取り組んでいきたい、いかなければならないと思っています。これから仲間を増やせればと思います。ていうか、ほとんど良識ある人ならば、今の非正規の現状を知っている人であれば、そうせざるを得ないっていうことはご理解いただけると思います。
移民政策についてはどう考えるか?
記者3:2つの質問があります。1つは人口問題の話をされましたので、移民政策をどうお考えになってますでしょうか。 そして2つ目の質問でございますが、もし総理大臣になられましたら、勤務時間をどのように考えますでしょうか。どのようにされますでしょうか。つまり日本の情勢、働く意欲を持っている方もたくさんいらっしゃると思うんですが、実際には彼女たちは長い時間勤務できないという現実問題があると思います。つまり、先生ご自身もご家族がいらっしゃるわけでございまして、ご家族と過ごしたい時間というのも当然確保したいということでございますので。しかしながら、総理大臣というポストに就かれましたら、やはりその勤務時間をロールモデルになるために、なんか変えるというふうにお考えでございますでしょうか。 野田:まず初めの移民についてお答えしたいと思います。日本で移民と語られるときには、大概労働力として見なされています。つまり今、日本は人口減少で若年労働者が減ってきているから、その代替ということで移民を入れようっていう流れができていることは間違いないことで、私はそれは諸外国の、日本に来てくれる人に対して大変失礼だなと、そういう思いがしているので、むしろ移民を受け入れるということは、われわれに隣人を受け入れるっていう、やっぱりそういう確たる国内のレギュレーションというか、そういうのを作ってからでないと大変な混乱を起こす。むしろお互いの無知による混乱を起こすんじゃないかという危惧があります。 だからまず労働力に関しては、先ほどからしつこく申し上げているように、まだ女性がほとんど生かされていない、また高齢者も年齢でやっぱり切られてしまう。また障害者に至ってもミスマッチが発生している。そういうところも当然やり込んでから、まだ人が足りないということであれば、まずは隣人として受け入れる。そこでまた仕事を見つけていただくっていうような、プロシージャーみたいなものを作らない限り、私は軽々に移民を受け入れますっていうことは、むしろ来ていただく人に対して無礼なことではないかと思っています。 難民の問題もあります。難民に関しても非常に難しいけれども、私はできれば日本の教育水準の高さを鑑みると、例えばシリアの難民の中で特に親を、両親(りょうおや)を失った子供たちがいるわけですね。そういう子供たちにはやっぱり養親の斡旋をして、そして国も失った、親も失ったけれどもしっかりと教育を受けて、やっぱり成人していただけるような、そういう日本の人道的な、やっぱり強みを生かして子供たちを支えていければなという夢はあります。 これもあくまでも今、申し上げていることで私見の1つにしか過ぎませんけれども、そういうことができればと思って、働き掛けていきたいと思います。