第55回記念明治神宮野球大会の参拝・開会式 札幌大・佐野翔騎郎、明徳義塾高・池田佑二が選手宣誓
「秋日本一」をかけた一発勝負
11月19日 【明治神宮野球大会参拝・開会式】 第55回記念明治神宮野球大会の参拝・開会式が11月19日、明治神宮で行われた。高校の部10校、大学の部11校が出場。試合は20日からスタートし、25日の決勝まで、2024年の学生野球シーズン最後の熱戦が展開される。 第1回大会は1970年(昭和45年)。明治天皇鎮座50年祭を期に、学生野球の発展を目的に始まり、明治神宮へ奉納する大会として位置づけられた。戦前に行われていた現在の国民スポーツ大会の前身「明治神宮国民体育大会」の精神を、野球競技で引き継いだものである。大学の部に加えて、第4回大会からは高校の部がスタートし、学生野球シーズンの最後を飾る全国大会として、歴史を積み重ねてきた。 試合会場となる明治神宮野球場は1926年(大正15年)に完成。明治神宮の御祭神である第122代天皇・明治天皇と昭憲皇太后の御聖徳を長く後世に伝えることを目的に、聖徳記念絵画館を中心に創建された明治神宮外苑内に竣功された歴史的背景がある。
開会式で挨拶した大会会長である明治神宮・九條道成宮司は「健全なスポーツ精神による体力の向上と、自己修養、さらには心身の寛容を目的に作られた球場でございます」と説明した上で「選手諸君には、強い絆で結ばれたチームメートとともに、力いっぱいプレーできる喜びと感謝の気持ちを忘れずに、日頃、鍛えた技をいかんなく発揮され、学生野球らしく、正々堂々の試合を、明治神宮の御祭神に御奉納いただきたく、心よりご健闘をお祈り申し上げます」とエールを送った。 選手を代表して札幌大・佐野翔騎郎(4年・札幌大谷高)と明徳義塾高・池田佑二主将(2年・歌島中)が選手宣誓を行った。 「今年1月、1年の始まりの日に大地震があり、能登半島を中心に多くの被害が出ました。今でも被災地では生活が困難な人、心に傷を負った人、さまざまな人たちが命をかけて生活しています。私たちが今、こうして野球に集中できる環境にいるのは、当たり前でないことを改めて実感しました。2024年、学生野球最後の大舞台となるこの明治神宮野球大会で私たちができることは、被災された方々、保護者、指導者とすべての人に勇気と感動を届けることです。野球ができる感謝の気持ちを忘れず、正々堂々と学生らしく、元気にプレーすることを誓います」 高校の部9試合、大学の部10試合。「秋日本一」をかけた一発勝負が、伝統と格式のある学生野球の聖地・神宮で繰り広げられる。 文=岡本朋祐
週刊ベースボール