佐藤寿人が語るワールドカップ最終予選・バーレーン戦の裏話「芝生の長さが明らかに短くなっていた」
【大きかった長谷部誠コーチの存在】 試合後には選手たちにインタビューをさせてもらいましたが、やはり前半はバーレーンのコンパクトな守備に対して難しいと感じていた部分はあったと思います。それでも簡単な試合にはならないということは想定内で、我慢強くやり続けることは共通意識としてあったのではないでしょうか。選手たちの言葉を聞いて、あらためて感じることができました。 また、今回からチームに入った長谷部誠コーチの存在も大きかったように思います。 今回の2試合では27人が選ばれ、結果的に同じ4人が2試合ともにメンバー外になりました。代表の活動のなかでは、試合に出たメンバーと、出場時間が短かったメンバーと、まったく試合に出ていないメンバーとでは、トレーニングのメニューが変わってきます。その試合に出ていない選手のところに長谷部コーチが入って、一緒にウォーミングアップを行なったり、練習をしていたんですね。 代表選手は「自分が力になりたい」という想いで集まってきているので、それができないとメンタル的に難しくなります。でも、あれだけ経験のあるコーチが活動をともにしてくれると、精神的な安定が担保されるのではないでしょうか。 森保監督はこれまで、ターンオーバーを活用するマネジメントをしてきましたけど、今回の2試合ではスタメンをひとりしか変えませんでした。つまり、試合に出られない選手が多くなるわけですが、そうしたマネジメントができたのも、長谷部コーチの存在があったからだと思います。 同じことは、長友佑都にも言えます。彼は2試合ともにベンチ外となりましたが、前日練習を見ても盛り立て役を担っていましたし、試合に出られていない選手のトレーニングでも、彼がその質を格段に上げていました。 試合に出ていない選手たちはどうしても士気が下がってしまうものですが、長友がいたことで活気は失われていませんでした。これまでの代表のなかでも、トレーニングのクオリティが群を抜いて高かったっていうのは、代表スタッフの方もおっしゃっていましたね。