ゆりやんレトリィバァが語る「『極悪女王』での青春の日々」――自分らしく生きていくことが芸人
その経験があるおかげで当時の長与さんとダンプさんの気持ちも分かったし、そこからは試合に向けていろいろ意思疎通していこうと確認しあって、それまで以上にコミュニケーションを取るようになりました。遠慮していたことも言えるようになりましたし、今ではLINEで4時間くらい話したりする仲です。そんな良い友達にもこの作品を通じてたくさん出会えてうれしかったですね。
撮影中のサポートについて
――インティマシーコーディネーター(IC)の浅田智穂さんをはじめ大勢のケアスタッフが参加されていますが、撮影する上でのサポートはいかがでしたか?
ゆりやん:今回初めてICさんにお会いして、こんな方がいるんだなと。撮影中はいろいろとケアしていただきました。例えば水着での撮影シーンがある際には「これは着れますか?」とか「ここからは撮られたくないとかありますか?」と聞いてくれたり。みんなの前で聞かれたら、言いづらいこともあるじゃないですか。そんな心理的に言いにくいことを言える環境を作ってくれましたね。健康や栄養面に関しても、いろんな専門家の方が常に支えてくれて心強かったです。
――本作の撮影中にゆりやんさんが負傷したと報じられ、心配の声が上がっていました。大変な状況だったと思いますが、事故の後はどのようなサポート体制で撮影を続けられたのでしょうか。
ゆりやん:事故のニュースを見たらグロい感じになってたんですけど……実際はそんなことはなくて。プロレスシーンはほとんど実際に私たちが演じているんですが、当初からプロレスの練習や撮影シーンにおいてはかなり安全面の配慮をしてもらっていました。その上で、私が普通に受け身をミスってしまったんです。
事故以降の撮影ではこれまで以上にスタッフだけでなく、私たちキャストも少しでも違和感を覚えたらすぐお互いに言うようになりました。遠慮していることもあるかもと思って、キャスト同士で「今のは痛かったように見えました」「いえ、痛くないです」「でも痛そうでした」とか言い合ったり(笑)。長与さんも作中のプロレス技を組む上で、これだったらより安全なんじゃないかと配慮してくれていましたね。皆が一丸となってサポートしてくれたので、安心して撮影に臨むことができました。