「食べてもらえるのはありがたい」増え続ける放置竹林...救世主はレッサーパンダ 土砂災害の発生防止にも【SDGs】
静岡放送
静岡市の日本平動物園の人気者、レッサーパンダが放置された竹林の再生に一役買っています。パートナーとして大学生も参加して新たなプロジェクトが進んでいます。 【写真を見る】「食べてもらえるのはありがたい」増え続ける放置竹林...救世主はレッサーパンダ 土砂災害の発生防止にも【SDGs】 日本平動物園は全国の動物園などで飼育しているレッサーパンダの繁殖管理を担当しています。 <飼育員> Q. 1日どのくらい食べる? 「大体1キロくらい葉を食べるように、エサをあげるようにしています」 主食は竹の葉。現在、7頭を飼育していて、最低でも1日約7キロの竹の葉が必要です。園はエサの確保に頭を悩ませています。 <飼育員> 「自分達でエサとなる竹を採ってきたんですけど、食べる量がかなり多く、簡単に竹を取ってこれる場所は、もうほとんど採り尽くしてしまって」 そこで始めたのが「レッパーくんのもぐもぐサポートプロジェクト」。2024年6月にスタートし、静岡大学の学生も参加しています。 この日は大学の敷地内の竹林でレッサーパンダのエサとなる竹の葉を採りました。レッサーパンダは3年以上育った竹の葉を好むため、大学生は節の黒い古い竹を選んで切っていました。 <参加した大学生> 「竹を切るのは、刃を入れる高さとかいろいろ気をつけることが多いので、結構大変なんですけど、これがレッサーパンダのエサになるってことを考えたら、とてもやりがいは感じています」 放置竹林の伐採、活用を行うNPO法人で理事を務める浅沼由紀乃さんです。 <NPO法人BASSplus 浅沼由紀乃理事> 「こっちの太い部分については竹炭に焼いたりだとか、チップにしたりとかしているけど、こっちの部分は元々全然使えない部分だったので、食べてもらえるのはありがたい」 浅沼さんは3年前、企業のマーケティングや事業のプランニングの仕事をする中で、放置竹林の課題を知りました。放置竹林は全国で大きな問題になっています。 静岡市内の竹林面積は、2017年に約750ヘクタールだったのが、2022年には約870ヘクタールにまで増加しています。 <NPO法人BASSplus 浅沼由紀乃理事> 「このあたりが放置されてしまっている竹林になります。立てかかっちゃったりとか、そのまま倒れたまま放置されているという状態ですね」 <社会部 大西晴季記者> 「暗くてうっそうとしている感じですね」 <NPO法人BASSplus 浅沼由紀乃理事> 「竹はすごく伸びるのが早いので、1年経たずにこの大人の大きさになる。整備されていないとどんどんタケノコが生えていってしまって、この竹林に入りづらくなって、荒れていってしまうというような現状があるかと思う」 静岡市内では山の所有者の高齢化や竹の需要が減ったことなどから、手入れがおろ そかになる山が増えました。放置竹林が広がることで災害の危険も高まります。