3事業者が雇調金を不正受給 総額1594万円、社労士関与も 三重労働局発表
三重労働局は13日、松阪市や四日市市の3事業者が雇用調整助成金(雇調金)を不正に受給していたと発表した。うち2事業所の不正受給には鈴鹿市内の社会保険労務士が関与していた。不正受給の総額は1594万円に上る。 同局によると、不正受給をしたのは松阪市外五曲町のとび工事業「NK工業」▽四日市市城西町の小売業「ブルック」▽同市日永3丁目の飲食サービス業「KOSANJI」―の3事業所。 NK工業は令和3年1月から同年10月にかけ、実際には雇用していない労働者を雇用したように装った申請書類を作成して提出。雇調金1240万8千円を不正に受給していた。 ブルックは休業手当を実際よりも多く支払ったと装った書類を提出し、54万円を不正受給。KOSANJIは休業を装った書類を提出し、雇調金299万2千円を不正に受給した。 また、鈴鹿市で社労士事務所を営んでいた森本利彦氏は、ブルックとKOSANJIの不正受給に関与。過去には別の事業所による不正受給への関与も発覚し、同局が今年3月に公表していた。 いずれの不正受給も、同局の職員が申請書類の不審な点に気付いたことをきっかけに発覚。NK工業とは連絡が取れていない。ブルックとKOSANJIは全額を返還する意思を示している。 同局は4年度以降、県内で67事業所の不正受給を確認。不正受給の総額は約11億2200万円に上る。同局は「今後も不正受給が確認した場合は事業所名を公表する」としている。