マルティン「予選後はナーバスだったが落ち着いて挑めた」難しいタイヤ選択とスプリント3位で初チャンプに王手/MotoGP第20戦ソリダリティGP
11月16日、MotoGP第20戦ソリダリティGPの予選とスプリントレースがスペインのカタロニア・サーキットで行われた。最終戦をポイントリーダーで迎えたホルヘ・マルティン(プリマ・プラマック・レーシング)は、3位でスプリントレースを終え、フランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)に19ポイント差をつけた状態で日曜日の決勝レースを迎える。最後のレースにまでタイトル争いの決戦が持ち込まれたが、マルティンはどのように土曜日を過ごしたのだろうか。 【写真】ホルヘ・マルティン(プリマ・プラマック・レーシング)/2024MotoGP第20戦ソリダリティGP スプリント マルティンはポールポジションのバニャイアから0.208秒差の4番手で予選Q2を終え、2列目からスプリントレースをスタートした。グリッドで急遽タイヤを交換しフロントにハードタイヤを入れてレースに挑んだバニャイアに対し、マルティンはミディアムのフロントタイヤをチョイス。 12周のスプリントレースでは3番手でファーストコーナーを抜け、エネア・バスティアニーニ(ドゥカティ・レノボ・チーム)とのバトルの末、最終ラップでバスティアニーニに前を譲り3位でゴール。優勝したバニャイアに対し、ポイント差で十分なアドバンテージがあったマルティンはリスクを取らず安全に上位でゴールすることを選んだ。 「難しいわけではなかったけど、緊張感のあるスプリントだった。レース前、ペッコ(バニャイア)がハードをチョイスしていると聞いていたからちょっと緊張していたけれど、そのチョイスを信用していいのかどうかわからなかった。マレーシアで彼は失敗していたからね」 「だから、自分の感覚を信じることにした。それでフロントをミディアムにしたんだ。とにかくスタートはとてもうまくいって、最初のコーナーでは楽観視していたんだけど、エネアに抜かれてしまった」 「もう少し速く走れるポテンシャルはあったと思う。でも最終的には、リスクを少しでもコントロールしようとベストを尽くしたんだ。一度引き離した後にもう一度エネアに抜かれたのは予想外だった。彼のマシンの音は遠くに聞こえていたからね」 「でも、彼にはマルク(・マルケス)とのランキング3位争いがあるのはわかっている。だから彼は素晴らしい仕事をしたと思うよ」 「今日はみんなソフトのフロントタイヤでペースが良かったから、2位になるのは大変だったんだ。明日みんながどうするかはわからないけれど、ソフトだと決勝レースでは限界があると思う」 バニャイアが優勝しマルティンは3位でスプリントを終えたことで、最終戦前に24ポイントあったバニャイアとの差は19ポイントに縮まった。だが、仮にバニャイアが決勝で優勝したとしても、マルティンは9位以内に入ればチャンピオン獲得となる。タイトル争いでは依然マルティンが優位な立場にいることは明らかだ。 「明日の戦略は今日と同じ、表彰台を狙うこと。明日はリスクをもう少しコントロールする必要があるけれど、今日はエネアとのバトルでずっと集中できていた。だから、集中して、楽しむ。そして最終ラップで何かが起きても、リスクを考慮してバトルに入っていかないようにしなければならないね。タイトルを獲るために必要なことをするよ」 タイトルに王手がかかった状態のマルティンの心情はどのようなものだったのだろうか。 「予選の後、食事中はかなりナーバスになっていて、食べ物がほとんど喉を通らなかったんだ。その後少し眠って、冷たい水を飲んで、冷たいシャワーを浴びた。そうしたら、レース前には落ち着きを取り戻せたんだ」 「スプリントを終えた今はホッとしているよ。レースがしたかったし、レースで自分のフィーリングがどうなのかを確かめたかったからね」 「明日もいつも同じように、100%の状態で臨むよ。残る問題はタイヤチョイスだけだけれど、それはみんな同じだと思う。最後にうまくマネージできればそれで良いし、無理そうならプッシュする。状況に応じて動くよ」 最高峰クラス初戴冠なるか。決勝でもマルティンの動きに注目したい。 [オートスポーツweb 2024年11月17日]