「周りを笑顔にする」さくらジャパン・及川栞の笑顔と健康美の原点。キャリア最大の逆境乗り越えた“伝える”力
フィールドホッケーは、時速100~130kmのスピードでボールを操り、華麗なパス回しでゴールを奪う。難易度の高い技術や連係が必要とされるからこそ、「仲間とパスをつないでシュートを決めた時のよろこびは何倍にもなる」と、さくらジャパンの及川栞は言う。3歳でホッケーを始め、オランダで日本人女子初のプロ選手としての足跡を刻んだ。代表ではコミュニケーション力の高さと生来のポジティブな性格でリーダーシップを発揮し、アスリート界の交友関係も幅広い。所属企業では化粧品ブランドのキャンペーンモデルを務めるなど、笑顔と健康美を象徴する女性トップアスリートの一人でもある。その原動力とキャリア、未来図について話を聞いた。 (インタビュー・構成=松原渓[REAL SPORTS編集部]、写真提供=及川栞)
選手村では他競技アスリートとの交流も。「私から話しかけちゃいます」
――パリ五輪期間中、なでしこジャパンの長野風花選手とのツーショットを筆頭に、さまざまなオリンピアンたちとの写真をSNSに挙げていましたね。 及川:(長野)風花とはめっちゃ仲がいいんですよ。ランニングのトレーナーさんがお互いを紹介してくれて、風花も同じ低酸素トレーニングに来ていたことがきっかけでいろんな話をするようになりました。その時はまだ風花が(マイナビ)仙台でプレーしていたので、トレーニング場でも会ったりしていました。イングランドに行ってからは、「次に再会するのはオリンピックだね」と話していたんです。パリでは選手村を案内しました。なでしこジャパンでは熊谷紗希も仲が良いです。 ――選手村でしか体験できないようなアクティビティもあったのですか? 及川:選手村の中に、ユニークな郵便局があったんです。そのオフィスで写真を撮って自分たちの顔写真付きの切手を作ることができて、そこにあったポストから国際便でどこにでも手紙やハガキを届けられるんです。そこでチームメイトとも撮りましたし、バスケの(馬瓜)エブリンや宮崎早織とも仲がいいので、一緒に撮りました。 ――他のアスリートとの写真も多く、競技の垣根を越えて交友関係が広いですよね。どんなことがきっかけで友達になるのですか? 及川:たとえばオリンピックの選手村で宿泊棟のエレベーターが一緒になった時に、「何の競技ですか?」って声をかけたところから話が広がって、お名前を聞いたりします。今はSNSの時代なので、話した後にお互いのインスタを探してフォローすることもありますし、共通の友達がいるところから話が広がることもあります。 ――基本的に、及川選手から話しかけているんですか? 及川:そうですね。2、3回目が合ったら、「もしかして私のこと知ってるのかな?」とか、「誰かの友達だった気がする」と思って(笑)、私から話しかけちゃいますね。