立ち食いステーキが人気 年内に都内10店、NYにも出店へ
銀座の店は広さ20坪(約65平方メートル)程度で30席を確保。従業員はわずか5、6人。一日平均の客数は約500人。1人当たりの平均単価は2000円ほどだが、一日の売上は100万円となる計算だ。 ■滞在時間の短さ 早い回転で効率を高める 売上が当初予想を1、2割上回ったことはさながら、予想以上だったのが、お客の滞在時間の短さだという。開店前は、1人1時間を見込んでいたが、ふたを開けると30分ほどしか滞在せず、早い回転で店の効率を高めている。銀座といえば、日本でもトップクラスで賃料がのしかかる。同店も賃料は月150万円ほどだが、それを補って余りある売上と少ない人件費で、利益を伸ばしているようだ。 4月上旬の午前11時過ぎ、銀座4丁目店を訪れた。開店直後というのに、すでに約20人が並んでいたが、30分ほどで入店できた。店内は思ったよりも狭い印象で、牛丼店を想起させる。それでも、両手でナイフとフォークを振るうことを想定してか、一人分のテーブルのスペースは広く、大柄の男性でも隣を気にせずに食べられそうだ。注文した300gのリブロースステーキがジュージューと音を立てて運ばれてきた。iPad miniに近い大きさで、迫力十分。塩とコショウをかけて口に運ぶと、肉の旨味に夢中になり、立っていることも忘れて10分ほどであっという間に平らげてしまった。客の回転が早いわけだ。 交際中の彼女と来店した栃木県足利市の会社員、梅田忠昭さん(29)は「最初は立ち食いに少し抵抗はあったが、食べ始めたらそれほど気にならなかった。多少食べにくくはあったが、安いし味もボリュームも満足。また来たい」と笑顔をみせた。 ■年内に都内10店 夏にはニューヨークへ出店 ペッパーフードサービスの広報担当者は「コストを削減しつつ、質の維持には徹底してこだわりました。年内に都内に10店舗の出店が目標。夏にはニューヨークへの出店を目指して準備中です。来年以降は国内の主要都市への展開も検討しています」と鼻息が荒い。