「背水の陣で挑み、失敗をしなければ経営者にはなれない」 「TSUTAYA」を展開する社長が挑む「出版流通革命」とVポイントの展望
◆後継者には、失敗させるのが一番よい
――実際のところ、経営者を育てるための有効な方法はあるのでしょうか? 早めに責任を持たせて、失敗させるのが一番よいと考えています。 今、成功している経営者の方々も、最初から成功したわけではないでしょう。 背水の陣で臨みながら成功と失敗を繰り返しながら、お金の向き合い方や人を見る目を養ってきた人たちです。 その意味でいえば、答えは一通りではないかもしれない。 しかし、いずれにしても失敗を経験しないまま経営者になってはいけないと思います。 ――経営とは与えられて行うものではなく、背水の陣を敷いて自分で掴みにいくものだということでしょうか。 その通りです。 ほとんどの創業者は、人やお金に関して苦い経験をしているはずです。 それでも折れずに、どのような組織を作ればよいかを考えて実行し続けるのが経営です。 苦境の中でしか経営感覚は養われないと思います。 私も自分の任期を決めて、いかに人を育てようかと考えています。
◆「Vポイント」への統合
――CCCの今後の事業展開について教えてください。 今年、三井住友フィナンシャルグループの「Vポイント」とCCCグループの「Tポイント」が統合し、新生「Vポイント」がスタートしました。 従来のTポイントは、アプリでVポイントと連携させることによって、新Vポイントとして合算できるようになりました。 まずこの場でお伝えしておきたいのは、Tポイントは存続し、以前からご利用のTカードもそのまま使えるということ。 引き続き、安心してご利用ください。 TポイントがVポイントに変わった理由は、新しい概念のポイントの貯め方へと進化させるためです。 これまでポイントを貯める魅力は「お得」という経済性の一点であり、関心は残高のみでした。 しかし私たちが作ろうとしているのは、Vポイントの会員であることで楽しさや嬉しさをもたらす世界。 つまり経済合理性以外の付加価値を作っていきたいと考えています。 それはいったいどんなことかというと…残念ながらまだ言えません。 今いろいろと用意していますので、期待して待っていてください。