「きょう告知された人がいるんだというのをいつも心に留めながら」がんを乗り越え患者に寄り添う画家 藤野ア子さん
2人に1人はがんにかかると言われる時代、今や、がんは身近な病気でもあります。 今回は2007年に乳がんと告知され、完治した現在もがん患者の支援に関わる女性にスポットを当てます。 自身もがんの治療を経験したMRT宮崎放送の古屋敷沙耶アナウンサーが取材しました。 【写真を見る】「きょう告知された人がいるんだというのをいつも心に留めながら」がんを乗り越え患者に寄り添う画家 藤野ア子さん ■思いついたのが絵本だった 宮崎市の画家、藤野ア子さん(58歳)。 アトリエには色彩豊かな藤野さんの作品が飾られています。 フランスで個展を開くなど画家として多忙な日々を送っていた藤野さんは、2007年、検診で乳がんが発覚。 リンパ節の手術や抗がん剤治療、それに、ホルモン療法に取り組み苦しい闘病生活を送りました。 (画家 藤野ア子さん) 「(宣告されたときは)それはやっぱりショックですよね。『がん=死』というイメージがすごく強いから、もう死ぬのかなというのがすごくあった」 落ち込む日々が続いた藤野さん。 そんな時、同じ病棟で過ごす乳がん患者との話からあることを思いつきます。 (画家 藤野ア子さん) 「小学校2年生、4年生の男の子のお母さんが『これから(髪の毛が)抜けるよね。でもどうやってこの病気を男の子に伝えていこうかなって迷っている』という話を聞いたときに、思いついたのが絵本だった。明るい絵本を、色のきれいな絵本を作りたいなって思ったんです」 ■絵本『ア子さんのリボン』 藤野さんが出版した絵本には告知されたときの不安、抗がん剤の副作用への苦しみ、そして、がんを乗り超えようと奮起する気持ちがつづられています。 (絵本『ア子さんのリボン』より) 「手術の日が決まった。両親と泣きながらいろんな話をした」 「痛い 痛い 痛い 痛い 痛い」 「よっしゃ!! 私もがんを治して また、きれいになってやるぞ!!」 藤野さんは、抗がん剤治療中に知り合いの編集者に励まされながら、この本を制作しました。 (画家 藤野ア子さん) 「社会との関わりは、私はあった方がいいと思う。できるのだったら。体力的にきつい人は無理だけど、もし、無理じゃなければやっていった方がいいと思います」