【日本S・今中慎二の目】ソフトバンク・尾形の7回続投に疑問符「お役ごめんと代えたほうが良かった」
【今中慎二の目】◇30日 SMBC日本シリーズ2024第4戦 ソフトバンク0―5DeNA(みずほペイペイドーム) DeNA打線が敵地で勢いを持続させた。4回に4番・指名打者のオースティンが先制1号ソロを放つと、7回に5番の宮崎が1号ソロで追加点を奪い、さらに機動力を絡めて好機をつくると、1番・桑原とオースティンの適時打で突き放した。 第1戦で左足甲を負傷しながらも、オースティンが首位打者の本領を発揮している。本紙評論家の今中慎二さんは「『いらっしゃ~い』という感じでドッシリと構えるオースティンに、ソフトバンクの投手陣はのまれている。石川もそうだし、ソフトバンクベンチも。オースティンは球を呼び込んで打てて、上体が前へ出てしまうような打者ではないので、対する投手は苦労するんです」と解説した。 ソフトバンクは0―1の6回2死一塁の場面でオースティンを迎えると、先発の石川から右腕の尾形をリリーフに送った。ここで尾形は初球154キロのストレートで見逃しのストライクを取り、2球目はスライダーで空振り、最後は154キロの高めストレートで空を切らせて、3球三振に仕留めてみせた。 しかし、7回も続投すると、いきなり宮崎にソロアーチを浴びて、さらに梶原の安打と二盗でかき回され、戸柱の四球などで満塁ピンチを招き、交代した岩井が桑原とオースティンに適時打を許し、トドメをさされた。 今中さんは「石川は調子が悪かったから代えたわけではないし、崩れたからでもない。このシリーズで警戒していた打者にやられてしまい、あえて目先を変えるための交代。ベンチに打たれる怖さが出たわけで、そうなると劣勢に陥るもの。尾形が気持ちの入った3球で三振に仕留めたのだから、ベンチに戻ってホッとしているだろうし、これでお役ごめんと、次のイニングは代えたほうが良かった」と説明すると「1軍でバリバリやっている投手なら別だが、まだ経験の浅い投手(シーズン通算42試合登板)でもあるからね。前夜(29日)の第3戦は勝ちパターンの投手を使っていないので、投手起用に困っているわけでもなかったのだから」と継投に疑問符をつけた。 ソフトバンクは本拠で連敗し、2勝2敗のタイに持ち込まれた。まるで”外弁慶シリーズ”の様相。勢いづいたDeNA打線をどう止めるか。投手力が第5戦の鍵を握ることになる。
中日スポーツ