〝全身全霊〟高市早苗氏が新年の抱負「世界一安全な日本」を取り戻す 治安・テロ・サイバー犯罪対策調査会で積極提言
「まず、現行法制でできることを洗い出し、迅速な具体策を提示することに努めた。現状は『闇バイト』の犯行グループに『有利』な条件がそろっている。身元を隠し秘匿性の高いアプリを悪用して実行役を募集し、犯行後は末端メンバーを切り捨て首謀者は逃げ切る。まずは検挙率をあげることが抑止につながる」
「仮装身分捜査」は、警察官が身分を隠して犯人側に接触する手法だ。現状では、偽の身分証で身元を証明する行為が公文書偽造罪などに問われかねない。提言は、捜査員が偽の身分証を使う捜査が、刑法35条の「正当業務行為」であることを明確化し、捜査員の安心を確保するガイドライン策定も要望した。
犯罪者からは〝ツール〟も奪い取る。求人では本来、職業安定法などに基づき、求人者の身元や業務内容などを具体的に明示することが求められている。闇バイトはこれらのルールを完全に無視しているのだ。職業安定法の徹底を前提に、職業紹介サービスの提供事業者には、違法性のある求人情報を排除してもらう。
■他国製防犯カメラやドローンにも警戒を
そして、社会を守る「目」としての防犯カメラ拡充だ。防犯カメラは犯罪抑止や事件捜査で絶大な威力を発揮する。新しい地方経済・生活環境創生交付金では「地域防犯力の強化」を推奨事業として明示し、地方創生臨時交付金のメニューとしても活用を自治体に推奨する。効果的な防犯カメラの設置場所の厳選を進め、民間に対しても啓発や協力を働きかける。
「これらの課題を関係省庁で議論したが、法制度や実際の捜査を司(つかさど)る法務省、警察庁をはじめ各省庁の意識は共有されていた。国民の安全を守る現場の捜査員が困らないよう、明確な道筋を立てた」
提言を取りまとめるなか、国内外の幅広い安保上の課題も再認識したという。
「他国製の防犯カメラを公的機関に設置すれば、情報流出や『監視』などセキュリティ上のリスクが生じる。自治体にも、こうした懸念に留意していただきたい。さまざまな安全保障は重要度や規模感を問わず結びついている。基幹インフラに対するサイバー攻撃への対処などを含め多角的な視点で臨むのが大事だ」