波紋を広げた石破首相の外交・安保構想、米国からは冷ややかな視線 立憲はトラウマ背に現実路線
アジアの安全保障、議論急ぐべきだ 秋山信一記者
アジア版NATOの議論を通じて、中長期的にアジアの安全保障をどう担保していくかを議論することには意義がある。外国の反応は冷ややかだが、国際情勢は目まぐるしく変化しており、国内で議論の土台を作っておくことは無駄ではない。 しかし、中国が台湾を取り囲んで軍事演習をしたことに象徴されるように、台湾海峡や南シナ海での有事のリスクは眼前にある。そうした有事に、日本がどういう役割を果たすのか、同盟国の米国とどう連携するのか。政府や国会での議論、国民の理解が現状に追いついているとは思えない。 米国は長らく、日本がアジアの安保にもっと関与することを期待してきた。米政府でさえ消極的なアジア版NATOの議論が、日本政府から出てくる状況は、「日本への期待」を高める作用がある。まずは直近の課題にどう向き合う用意があるのか。議論を急ぎ、国内外に示してもらいたい。
※この記事は、毎日新聞と Yahoo!ニュースによる共同連携企画です。