堅調な米企業業績が輝き失う、金利高で株価圧迫-ウィルソン氏
(ブルームバーグ): 米国債利回り上昇に圧迫され、米企業の好調な決算シーズンが輝きを失っていると、モルガン・スタンレーのマイケル・ウィルソン氏が指摘した。
市場の利益予想を上回った企業の割合は「高い」ものの、株価の反応は限定的だと同氏は分析。年初から記録破りの上昇が続き、バリュエーションが膨らんでいることを理由に挙げた。
「金利上昇がバリュエーションへの圧力になっているためだと考える」とウィルソン氏はリポートに記述。米連邦公開市場委員会(FOMC)が今週の会合でハト派傾斜を示唆しない限り、「この状況は短期的に続く可能性がある」と記した。
ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)がまとめたデータでは、これまでのところS&P500種株価指数構成企業のうち81%で1-3月(第1四半期)利益が市場予想を上回った。ただし、平均株価は決算発表当日にS&P500種をほとんどアウトパフォームしていないことが示されている。
FOMCが年内に利下げに踏み切るとの楽観を背景に、S&P500種は昨年10月下旬以降に最大28%上昇したが、インフレの根強さを示すデータが意識されるのに伴い、4月は一息つく格好となった。短期金融市場で年内の利下げ見通しが今やわずか1回となる中、この先の株価上昇のけん引役となる企業業績に重圧がかかっている。
今後2ー3カ月にわたり金利が現行水準にとどまったとしても、株価収益率(PER)は約7%の下振れに直面すると、ウィルソン氏は分析。米10年債利回りが7月半ばまでに一本調子で5%に上昇すれば、PERの下振れは約11%に拡大するという。ただ、金利による圧力は6月以降には和らぐとの見方も示した。
原題:Morgan Stanley’s Wilson Says Rates Take Shine Off Solid Earnings(抜粋)
(c)2024 Bloomberg L.P.
Sagarika Jaisinghani