決済システムの革新、民間部門が主導すべき=ウォラーFRB理事
Michael S. Derby [ニューヨーク 12日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のウォラー理事は12日、決済分野の革新に関しては民間部門が主導権を握るべきとの考えを示した。 ウォラー氏はニューヨークで開催されたクリアリングハウス(清算・決済機関)年次会議の講演で「一般に、経済に最も確実かつ効率的にモノやサービスを提供できるのは民間部門だというのが私の見解であり、この考えを決済エコシステムにも当てはめている」と指摘。 「政府の介入によってのみ解決できる根本的な市場の非効率性とは何か」と問いかけ、「満足のいく答えがないのであれば、政府は民間市場に介入すべきではないと思う」と述べた。 FRBは「主に決済システムにおける運用上の役割を通じて、民間部門が革新できる中核的な清算・決済インフラを提供することにより」決済システムの発展を支援する「用意がある」との考えも示した。 ウォラー氏はまた、ステーブルコインは事実上、金融システムに利益をもたらす「合成(synthetic)」ドルであると述べた。 こうした資産は「多くの潜在的利益をもたらす可能性があり」、金融システムの非効率性を「排除」するかもしれないと指摘。金融システムを不安定にしかねない取り付け騒ぎに脆弱であるため、安全性の問題に対処するための法律が必要だとの考えを示した。