4年目で覚醒したエース鶴川正也「1、2、3、4区で区間新記録」…箱根駅伝連覇へ 青学大の壮行会で抱負
第101回箱根駅伝(来年1月2、3日)で2年連続8度目の優勝を目指す青学大は12日、東京・渋谷区の青山キャンパスで壮行会、会見を行った。原晋監督(57)と主将の田中悠登(4年)ら登録メンバーが抱負を明かした。 今季の絶好調の鶴川正也(4年)は4年目で初めて登録メンバー入りを果たした。「壮行会に出られるのも初めて。うれしいです」と満面の笑みで、壮行会の晴れ舞台に立った。 鶴川は熊本・九州学院3年時に全国高校駅伝「花の1区」(10キロ)で区間賞を獲得するなど、世代トップレベルの選手として鳴り物入りで青学大に入学したが、昨季まで学生3大駅伝の出場は3年時の出雲駅伝6区(区間8位)だけ。青学大が大会新記録で2年ぶり7度目の優勝を飾った今年1月の第100回箱根駅伝でも16人の登録メンバーから外れた。同3区で日本人歴代最高タイムで区間賞を獲得し、優勝に貢献した太田蒼生(4年)ら同期に比べ、鶴川は「3年まで僕は期待外れに終わっていました。前回の箱根駅伝でもチームの優勝はうれしかったですけど、僕自身は悔しい思いでした」と率直に明かしていた。 学生ラストシーズンとなった今季はトラックシーズンから絶好調。5月の関東学生2部5000メートルでは初優勝した。一昨年、昨年と2年連続で日本人トップの3位だったが、ついに留学生に競り勝った。6月の日本選手権5000メートルでは屋外レースとしては日本人学生歴代最高(当時)の13分18秒51で学生トップの4位入賞。駅伝シーズンに入って、勢いはさらに増して学生3大駅伝開幕戦の出雲駅伝(10月14日)1区で区間賞を獲得。第2戦の全日本大学駅伝(11月3日)でも2区で区間賞に輝いた。今季は、学生相手には文字通り“敵なし”だ。 鶴川は、最初で最後となる箱根駅伝へ強い気持ちで臨む。「小学生の時から青学大のユニホームを着て箱根駅伝を走ることが夢でした。希望区間は1区、2区、3区、4区です。全部、走りたいくらいです」と笑顔で話す。その上で「どの区間でも区間新記録を出したい」と意欲的に話した。 区間記録は1区が22年に中大の吉居大和(現トヨタ自動車)がマークした1時間40秒。2区、3区、4区の区間記録は、いずれも東京国際大のイェゴン・ヴィンセント(現ホンダ)が持つ。2区は1時間5分49秒(21年)、3区は59分25秒(20年)、4区は1時間(23年)。「ヴィンセント選手の名前が多いので、ひとつは更新したいです」と鶴川は笑顔で話す。 4年目で覚醒した鶴川に対し、原監督の期待も大きい。10日に行われた第101回箱根駅伝トークバトルではエースとして鶴川の名前を挙げた。「日本人で最初に5000メートルで12分台を出す男です」と、大迫傑が2015年7月にマークした日本記録(13分8秒40)を超えることを熱望した。 この日の壮行会ではユニホームサプライヤーのアディダスが制作した小旗約250本が学生に配られ、巨大な横断幕が青山キャンパス前に掲げられた。「大丈夫、いける。」と記された横断幕の前で、鶴川は、田中主将、塩出翔太(3年)と一緒にガッツポーズを見せ、3週間後に迫った大一番に向けて気持ちを高ぶらせていた。 今季、学生3大駅伝開幕戦の出雲駅伝(10月14日)、第2戦の全日本大学駅伝(11月3日)はいずれも国学院大が快勝し、駒大が2位、青学大が3位だった。青学大は出雲路、伊勢路では国学院大、駒大に遅れを取ったが、得意の箱根路では、やはり優勝候補に挙がる。「3強」を中心に、城西大、中大、創価大も上位争いに加わる力を持ち、激しい優勝争いが繰り広げられそうだ。 青学大の登録メンバー16人は以下の通り。 太田 蒼生(4年) 白石 光星(4年) 田中 悠登(4年) 鶴川 正也(4年) 野村 昭夢(4年) 若林 宏樹(4年) 荒巻 朋熈(3年) 宇田川瞬矢(3年) 黒田 朝日(3年) 佐藤 有一(3年) 塩出 翔太(3年) 平松 享祐(2年) 安島 莉玖(1年) 小河原陽琉(1年) 黒田 然 (1年) 佐藤 愛斗(1年)
報知新聞社