イスラエルとヒズボラ「停戦合意」……裏にトランプ氏の存在、バイデン大統領との“共同作業”か 「ハマスの孤立」でガザの今後は
日テレNEWS NNN
レバノンのイスラム教シーア派組織「ヒズボラ」とイスラエルが、停戦で合意しました。バイデン大統領の任期が残り少なくなってきた中、背景に何があったのでしょうか。ヒズボラと共闘してきたハマスが実効支配するガザ地区の今後を考えます。
■バイデン大統領の「最後の功績」
藤井貴彦キャスター 「イスラエルをめぐっては南側でガザ地区のハマス、北側でレバノンのヒズボラ、両方と戦闘を続けてきましたが、今回ヒズボラ側との停戦で合意。仲介したバイデン大統領としては残りの任期が2か月を切る中、大きな動きがあったと言っていい状況ですね」 小栗泉・日本テレビ解説委員長 「確かに、バイデン大統領にとってはトランプ次期大統領への移行期で自らの影響力も失われている中、この中東の停戦は最後の功績として何とかやり遂げたいという思いは強かったようです」
■トランプ次期大統領と利益が一致
小栗委員長 「一方でアメリカ政治に詳しい明海大学の小谷哲男教授によると、この停戦合意の裏にはある人物の存在があったと指摘しています。それはトランプ氏です」 「小谷教授によると、予測不能なトランプ政権とは事を構えたくない、できることならトランプ氏が大統領に就任する前に停戦合意にこぎ着けたいという“トランプ圧力”がヒズボラ側に生まれていたといいます」 「そうした機運を利用して、イスラエル側がヒズボラと停戦合意していいかとトランプ氏に確認。それも来年1月20日のトランプ政権誕生の前に合意しても構わないかと聞いて、トランプ氏の答えはOKだったということです」 藤井キャスター 「ただこういう状況を知らない人にとってはバイデン大統領の成果に見えてしまうのではないでしょうか?」 小栗委員長 「トランプ氏は自分の影響力でこうした環境が整ったということが知られれば自分の手柄にもなるし、まだガザの問題も残っているから良いとしたのだろう、と小谷教授はみています」 「そしてイスラエルのネタニヤフ首相がトランプ氏にお伺いを立てているという動きはバイデン大統領もおそらく知っていて、トランプ氏とバイデン大統領の双方の利益が一致した共同作業の結果、停戦合意に至ったということです」