【ハイライト動画あり】互いのラグビースタイル出し切る好ゲーム。近大、関西学院大に逆転勝ちで大学選手権へ。
近大は後半の入りも関西学院大に流れを渡しかけた。キックチャージからFB的場天飛にトライを奪われてリードを広げられた(ゴールキックも決まり5-19)。 しかし4分、SH渡邊晴斗がインターセプトからトライを返して点差を元に戻す。これで息を吹き返した(ゴールキックも決まり12-19)。
その後、お互いに1PGずつを決めるなど、後半10分までは試合が落ち着かなかったが、ここから近大が、少しずつ自分たちのペースに持ち込んだ。 15-22で迎えた後半17分、この日安定していたラインアウトからのモール→サインプレーでWTB植田和磨が前進してディフェンスに圧をかける。最後は逆サイドへ回し、FB阿曽有馬がトライ。ゴールも決まり、22-22と追いついて勢いづいた。
決勝点も再びラインアウトからだった。FWから出たボールを受けたSH渡邊が巧みにインゴールへグラバーキックを転がす。それをCTB藤岡竜也が押さえ、このゲームで近大が初めてリードを奪った。 ゴールキックも決まり、27-22とした青いジャージーは残りの時間も積極的に攻め、ディフェンスでも粘り強く守る。勝ち切った瞬間、喜びを爆発させた。
プレーヤー・オブ・ザ・マッチには、自らトライを奪い、逆転を呼ぶキックも転がしたSH渡邊。強気の2年生が輝いた。
神本健司監督は、関西学院大について「素晴らしいチーム」とリスペクトの気持ちを伝えた後、「特に前半はやろうとしていることができず、難しい時間が進みました。その中でもなんとか7点差で終えられたのが大きかった」とし、どちらに流れが傾いてもおかしくない試合で勝ち切った選手たちに向け、「学生たちが日々厳しく取り組んできたからつかみ取れた勝利。彼らと大学選手権でラグビーができる」と笑顔を見せた。
161センチと小柄ながらチームの先頭に立ったFL中村志主将も、「しんどいことをやりながらも、冷静に戦う準備をしてきました。それが(接戦の中で)生きた」と話し、仲間たちと戦い続けられることへの幸せを言葉の端々から感じさせた。
田村一博