“絶叫”に特化する富士急ハイランド。確固たる地位を築くも“意外と”リピーターが少ない理由
大正時代から運航する芦ノ湖遊覧船を取得
富士急行は鉄道事業や不動産開発、ホテル運営などを行っています。グループ全体でシナジー効果を生み出し、収益拡大に努めなければなりません。 中期経営計画では、「箱根・熱海」エリアへの事業展開が注力する取り組みとして掲げられています。箱根エリアは小田急、東急、西武が激しくやりあった「箱根山戦争」で有名。富士急行は出遅れていました。しかし、近年は勢力を広げています。 2022年に伊豆箱根鉄道から十国峠のケーブルカー事業、2023年に芦ノ湖の遊覧船事業を取得しました。芦ノ湖遊覧船は1920年4月に開業したこのエリアを代表する観光事業の一つ。2024年2月に新型船「SORAKAZE(そらかぜ)」の運行をスタートさせ、新体制に移行したことを印象づけました。 箱根は2023年の観光客数が前年比12.4%増の1900万人となった人気の観光地。そのうち外国人観光客数は34万人。前年から8倍に急増しています。 観光客数はコロナ前を上回っており、インバウンド効果の恩恵を多いに受けています。富士急行にとって箱根エリアの本格進出は悲願とも言えるもの。今後の成長のカギを握っています。 <TEXT/不破聡> 【不破聡】 フリーライター。大企業から中小企業まで幅広く経営支援を行った経験を活かし、経済や金融に関連する記事を執筆中。得意領域は外食、ホテル、映画・ゲームなどエンターテインメント業界
日刊SPA!