トランプ米大統領の就任、企業の6割以上が「保護主義拡大」を警戒 主要企業アンケート
20日にドナルド・トランプ氏が米大統領に就任することで、保護主義が世界で拡大すると主要企業の6割以上が予想していることが、産経新聞社が実施した主要企業アンケートで分かった。トランプ氏は関税引き上げを掲げており、米中貿易摩擦が再燃する懸念も高まっている。日本からの輸入に対しても関税を引き上げる方針を示しており、多くの企業が警戒感を抱いている。 【一覧でみる】アンケート回答に協力した主要企業111社 アンケートは昨年11月中旬~12月上旬に実施し、111社から回答を得た。 トランプ氏の大統領就任で保護主義やブロック経済が世界で拡大するかを尋ねたところ、「拡大する」が17・1%、「やや拡大する」が46・8%で、合わせて6割を超えた。「これまでと変わらない」は4・5%にとどまり、「拡大しない」と回答した企業はなかった。31・5%は無回答だった。 トランプ氏の関税政策が自社の業績にどのような影響を与えるかについては、「マイナスに働く」が12・6%、「ややマイナスに働く」が29・7%で、4割以上がマイナスの影響があると回答。一方、「これまでと変わらない」は27・9%で、「ややプラスに働く」は0・9%、「プラスに働く」はなかった。 企業からは「関税引き上げで米国向け輸出が減少し、安価な中国製品がグローバル市場にあふれることによる国際貿易の混乱を懸念する」(製造業)、「輸入資機材がコストアップする可能性がある」(電気・ガス)との声も上がる。 トランプ氏はパリ協定の離脱や環境規制の緩和、化石燃料を増産する方針を示しているが、脱炭素に向けた自社の取り組みを転換するかどうかについては、「転換しない」が66・7%で「転換する」の0・9%を大きく上回った。