線路内立ち入りで遅延も…“撮り鉄”の迷惑行為相次ぐ 銚子電鉄は警察に相談
日テレNEWS NNN
鉄道撮影の愛好家、いわゆる“撮り鉄”による迷惑行為が問題になっています。千葉県銚子市のローカル鉄道「銚子電鉄」では、線路の無断立ち入りなど迷惑行為について、警察に相談しているということです。
千葉県銚子市を走る「銚子電鉄」。緑のトンネルをくぐり、風光明媚な町並みをゆったり走る全長6.4キロの「ローカル線」です。経営も苦しい中、3月に新たな中古車両を導入、お披露目となったのですが、そんなおめでたいムードに水を差すような出来事が起きました。
「撮影マナーをなぜ守っていただけないのでしょうか」(銚子電鉄公式Xより) 銚子電鉄が憤りをあらわにするのは、一部の“迷惑撮り鉄”に対してです。「立入禁止」と書かれた看板は横倒しにされ、距離を示す「キロポスト」は地面から引き抜かれ、畑に放り投げられていました。
畑の持ち主(千葉・銚子市) 「三脚立てて写真撮るんですけど、この杭(くい)、これを抜いちゃって、あとはこれ(看板)を抜いて、こっちから写真撮っていた」 「ここだけじゃなく、ここからも撮るし、こっちからも撮る人もいる。畑の角くらいまで、ここに人が並んで…」 銚子電鉄は警察に相談して対応しています。
“撮り鉄”とみられる人が鉄道の運行を妨害したケースもあります。 去年6月、栃木・矢板市で撮影された映像には、走る寝台列車「カシオペア」と、そのすぐそばを走る3人の姿が映っていました。3人は“撮り鉄”とみられています。 「カシオペア」は3人のすぐそばを通過。この影響で列車は緊急停止、14分の遅れが発生しました。この3人のうち、20代の男性2人が線路内に立ち入ったとして書類送検されています。
“撮り鉄”の行為で列車が遅延したケースは他にもあります。丸みのあるボディーにブロンズメタリックが輝く車両。6日、新型の運行が始まった岡山と出雲市を結ぶ、JR西日本の「特急やくも」です。 「すごかった」 「乗りたいですね、子どもも乗りたいって言ってるし」 出発式には大勢のファンが詰めかけ、その門出を祝ったのですが、鉄道ファンに人気の撮影スポットがある区間で、線路内に人が立ち入り、最大20分の遅れが出たことがわかりました。
昭和から令和までを駆け抜けた「特急やくも」ですが、迷惑行為はほかにもありました。 3月に撮影された写真には、駅に停車中の旧型「やくも」にしがみつく人物が写っていました。その右手にはカメラが握られています。また、車両先頭の連結部分に乗り「いいね!」のポーズをする人物もいました。他にもゴミの放置などの迷惑行為が相次いでいるため、JR西日本はマナーを守って撮影するよう呼びかけています。