『家族だから愛したんじゃなくて~~』『国道沿いで、だいじょうぶ100回』の作家・岸田奈美さんに訊く 家族、自分、困難乗り越え術
岸田奈美流の困難乗り越え術 「困ったらとにかく書く!」
–壁にぶつかったときに、岸田さんが取り入れている気持ちを落ち着かせるルーティーンはありますか? 岸田さん:スマホのメモアプリを使って、そこに日々の生活の中で感じたことや考えたことを書きとめているのですが、書くことで自分の気持ちに気がつくことがよくあります。 書き溜めたものを読み返して、前にも同じことで悩んでいたなぁという気づきがあったり、エピソードの共通点をみつけて他の話と結びつけてエッセイに綴ったりしています。 ■困難を乗り越えるときに励ましてくれるのは過去の自分 岸田さん:わが家は部屋にスズメバチが入ってきたりとか、住んでいた家の天井が急に剥がれて住めなくなったりとか…なぜこんなことが起こるのだろうと思うことばかりで、普通の人が一生に一度体験するようなことが、私には1か月に1回起きています(笑)。 なにかトラブルが起きたときは、「もう、どうしたらいいのかわからない」と思いながらも、今までを振り返り、危機を乗り越えてきたことを思い出して自分を励ましています。 実際のところ、私はマイナス思考なので「どうにもならないかも」と瞬間的には最悪の事態を想像してしまうのです。 ですが、一呼吸おき、「そんなことにはならないよね」と気持ちを落ち着かせてから書くんです。SNSだったりメモだったり、なんでも文字にして。インターネットの世界はどれだけ話しても気にすることはありません。書くことで考えや気持ちを整理することもできるので、私は書くことに救われています。 ■しいたけ占いの言葉をヒントに自分と向き合うことも あと私は、しいたけ占いが好きなのですが、占いだけではなく話題をくれるツールとして楽しんでいます。 例えば、「そろそろあなたもアクセルを弱めて休みませんか?」と書いてあったとすると「確かに先週は頑張りすぎたかもしれないな。1日に知らない人と5人以上会うと疲れる傾向にあるかも」など、自分と対話するきっかけになるので、月の初めに必ず読んでいます。