韓国検察、統一省を“急襲”…前大統領の娘家族めぐる家宅捜索、なぜ?
【10月21日 KOREA WAVE】韓国・全州(チョンジュ)地検が今月14~16日、統一省事務室と南北関係管理団を家宅捜索した。地検は、ムン・ジェイン(文在寅)前大統領の娘ムン・ダヘ氏の元夫がタイの格安航空会社(LCC)「タイ・イースター・ジェット航空」に特別採用されたという疑惑と、ムン・ダヘ氏のタイ移住支援疑惑に絡んだ捜査としている。ただ、事件の方向性が異なる「別件捜査」という指摘も出ているが、検察は「別件ではない」と釈明している。 家宅捜索は、政府ソウル庁舎内の統一省とソウル市鍾路区(チョンノグ)にある南北関係管理団を対象とした。今回の捜索はイースター航空の「訪朝チャーター機」運航プロセスなどに対する資料を確保するためのものとされる。これに関連し、検察はチョ・ミョンギュン(趙明均)元統一相の自宅も捜索している。 イースター航空は2018年3月29~31日、北朝鮮・平壌を往復する「南北平和協力祈願南側芸術団」を特別チャーター機で運んだことがある。公演に必要な装備など貨物輸送は大韓航空が担当していた。当時、チャーター機の選定は統一省が進めたという。 今回の統一省捜索は、格安航空会社であるイースター航空が大型航空会社をおさえて訪朝チャーター機に選定されたのが、一つの特恵(特別優遇)の可能性があるという点を念頭に置いたものだ。 検察はイースター航空創業主であるイ・サンジク前議員が中小ベンチャー企業振興公団理事長に任命された時期が「南北平和協力祈願南側芸術団」の訪朝公演の1カ月前(2018年3月初め)という点に注目している。偶然にも同年7月には、航空業の経歴がない元夫が、イ・サンジク氏が創業主のタイ・イースター・ジェット航空のハイレベル役員に入り、同じ時期にムン・ダヘ氏の家族がタイに移住したという流れがある。 検察は、元夫の就職の見返りに、イ・サンジク氏が中小ベンチャー企業振興公団理事長に就職したのに加え、当時、良好だった南北関係の象徴的意味を持つ訪朝公演のチャーター機の選定でも特恵を受けたと判断したとみられる。 ただ、突然の「イースター航空訪朝チャーター機」に関連した捜査について、検察の「別件捜査」ではないかという指摘も出ている。 全州地検関係者は「この事件の核心人物であるイ・サンジク氏とムン前大統領の娘家族に対する不正支援に対する関連性の有無を確認するだけ」と説明している。 (c)KOREA WAVE/AFPBB News
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