《ブラジル》葬儀中の乳児に生命反応=2度の死亡宣告に両親心痛
南部サンタカタリーナ州コレイア・ピント市で生後8カ月の赤ちゃんが亡くなり、葬儀の最中に手を動かすなどの生命反応を示したために、病院に緊急搬送されるという異例の事件が発生した。最終的に再度死亡が確認されたが、検察局はこの状況を調査し、医療過失や死因についての詳細な分析を進める意向を示している。21日付G1などが報じた。 この女の赤ちゃんは17日にウイルス感染と診断され、点滴と投薬で治療した後、退院した。だが2日後の早朝に再び体調を崩し、19日午前3時に死亡を宣告された。診察した医師は当初、嘔吐による窒息が死因であると家族に説明したが、死亡診断書には脱水と細菌性腸炎が記録されていた。同日午前中に葬儀が始まった。 葬儀中、親族は乳児に体温があり、硬直がないことに気づいた。棺の中で手を動かしていることを確認し、午後7時頃に消防が呼ばれ、酸素飽和度と心拍を測定し、弱い生命兆候を確認した。酸素飽和度は84%、心拍は71拍/分だったが、心電図では心臓の電気的活動は検出されなかったという。乳児は再度病院に運ばれたが、そこで医師により再び死亡が告げられた。 赤ちゃんの父親であるクリスチアーノ・サントスさんは、「この日、幼い娘を亡くしてかなり動揺していました。そこに少しの希望の光が見えたかと思ったら、またどん底に…。我々は2度の悲しみを味わったのです」と悲痛を訴えた。 葬儀社の担当者アウレオ・ラモス氏は、病院から死亡証明書を受け取った後、遺体の受け取りと運搬は通常通りに行われたと説明した。乳児の場合、葬儀の準備が大人とは異なる方法で行われるとし、「タナトプラクシー(体液や内臓を取り除く処置)」は行われなかったと説明している。「子どもの場合、手順は異なります。洗浄を行い、服を着せて葬儀場に運びました。ご家族は棺や花輪などを選び、すべては通常通り進みました。それまでの間、乳児の唇や爪は青紫色でしたが、特に異常は見受けられませんでした」と証言した。 検察局は医療記録や医師、両親、消防士、その他の目撃者の証言を調査し、死亡時刻と死因と特定するため、特に注意して検死を行なうよう要請した。初期医療に過失があったかどうかも調べられ、病理解剖報告書が1カ月以内に発表される見込みだという。 マルクス・ヴィニシウス検事は、「駆けつけた消防によると、乳児を病院に搬送中に、心拍数がわずかに存在していたが、瞳孔散大や体の一部が紫色になるなど、死亡と一致する兆候も確認していた」と述べ、詳細な分析の重要性を強調した。