天園ハイキングコースは小町通りの如く渋滞必至!? 名刹を巡る鎌倉アルプスハイクを歩いてみた
古都鎌倉には休日ともなれば、小町通りや若宮大路は多くの観光客で賑わいます。TV番組での有名観光地のグルメネタともなれば、必ずと言っていいほどこの街を行き交う人々が満ち溢れる映像が流れています。ましてや紅葉シーズンともなれば、寺社を訪れる老若男女の背中越しの艶やかな色彩に向けるスマホの数たるや、です。そして人気の路地、寺社に限らず古都を守ってきた要塞のごときハイキングコースでも多くの人で溢れました。 【写真】鎌倉アルプスハイクの魅力をチェックする(全16枚)
北鎌倉駅から名所を辿りながら登山口へ
天園ハイキングコースは基本的には鎌倉の名刹で名高い建長寺から半蔵坊の階段を伝い、勝上献(しょうじょうけん)と東側にある瑞泉寺を結ぶ約5kmほどのルートですが、今回は西側の起点とされる今泉から時計回りに瑞泉寺を伝います。今泉へのアプローチは複数ありますが、もっともわかりやすいのはJR北鎌倉駅側から明月院を目指し、明月院を右手に住宅街の坂道を抜けて行くコースかと思います。明月院を過ぎれば閑静な北鎌倉の住宅街に立ち入ります。周辺住民の方々の迷惑にならないよう、静かに通過を心がけたいですね。 住宅街を抜けてハイキングコースに踏み入ります。程なくして勝上嶽展望台。それまでの静かな山行も、いきなりの賑わいを見せます。展望所からは建長寺境内を見下ろすことができます。その先には鎌倉の海が広がります。四季を通じて眺望が楽しめますが、やはり清冽な冬の海の輝きと富士山こそ、当地からの景観のダイナミズムかと思います。
鎌倉五山の建長寺から半蔵坊経由の絶景も魅力
もちろん、鎌倉五山の一位である建長寺の総門をくぐり、三門・仏殿・法堂が一直線に並ぶ荘厳な境内を散策し、裏山にある半蔵坊に立ち並ぶ烏天狗たちの像を見上げながら階段を登りきり、振り返って眼前に広がる絶景も魅力です。拝観料が必須ですが、その景観の素晴らしさは春、晩秋で魅了されるはずです。この半蔵坊を通過して天園コースに合流できるので、勝上献では登山スタイルから軽装の観光客とが入り乱れます。 ここから天園ハイキングコースが本格化します。小さなアップダウンを経て十王岩、鷲峰山と続きます。休日ともなれば、この辺りからハイカーで登山道は度々渋滞します。十王岩には如意輪観音、血盆菩薩、閻魔大王の3体が掘られています。鶴岡八幡宮のほぼ真裏に位置するので、由比ヶ浜方面の眺望にも優れています。また、鷲峰山付近には鎌倉名物の「やぐら(横穴式墓)」もコース上に出現します。