【なぜ?】都心で道路寸断の理由は“お墓約200基” 工事開始から18年も開通せず 住民困惑「ずっとこのままどうなってるのか」
東京・練馬区に工事着手から18年がたったにもかかわらず、いまだ開通できていない道路があります。 【画像】道路に挟まる状態の墓地…いまだ移転できないワケ 千代田区九段北から練馬区西大泉まで総延長・約19.3kmの東京都市計画道路「放射第7号線」の一部区間。 緑の金網でふさがれ、中には大量のガードレールが置かれていますが、その先に道路はありません。 反対側から見てみると、見えたのはたくさんの「お墓」。航空画像で見てみると、道路が墓地を挟むような状態となっています。 道路の真ん中に約200基のお墓があることで、工事が進まない事態になっているのです。 取材スタッフ: こちら事業期間平成18年7月から令和10年3月予定とありますが、テープでしょうか。2度ほど貼り替えられていますね。 工事開始から既に18年も経過しているにもかかわらず、看板に書かれた完成予定は4年先の令和10年3月。さらに、工事期間を貼り替えたとみられる跡まで見られました。 墓地以外は道路整備がほぼ済んでいるものの、いまだに車が通行できる状態ではありません。 近隣住民からは、開通を待ち望む声が…。 近隣住民(50代): こっちに越してきて12年ですけど、ずっとこのままですよ。税金だって使ってるのに、これどうなったのかなと。 近隣住民(70代): (開通したら)便利だよね。もう他の下の道が全然今良くないからね。流れが混雑しちゃって。 近隣住民(40代): 早く開通して、通れるようにはなってほしいです。
「動けるめどはたっていない」
「放射第7号線」という都市計画道路が開通しないことで、周辺にも大きな影響が出ています。 未開通区間と並行する「したみち通り」。迂回する車などが利用する一方、近隣住民の生活道路としても使われているため、長い渋滞ができていました。 なぜ開通のための墓の移転が進まないのか。墓を管理する日蓮宗善行院を取材すると、“ある問題”が浮き彫りになってきました。 日蓮宗善行院 大庭一記住職: 東京都から求められているのは、寺の本堂と道路計画に該当する墓の部分の移転です。200ある墓のうち道路計画に該当しない、およそ70基の墓は移転の対象外なんです。 住職は「本堂と全ての墓とで移転したい」と考えていますが、東京都は寺の本堂と、道路計画にかかっている部分の墓だけの移転を求めており、残りの墓については移転の補償対象にならないといいます。 さらに、都が寺に対して提案した代替地は、敷地が狭く全ての墓が入り切りません。 他にも、墓の持ち主すべてに移転の同意を得たり、「無縁墓」をどうするかなどの問題があり、移転のハードルが高いのだといいます。 日蓮宗善行院 大庭一記住職: 移転には応じるつもりですが、実際に動けるめどはまだたっていません。都と寺で互いに納得できるよう話し合いを進めていきます。 一日も早い開通が望まれている「放射第7号線」。 東京都の担当部署によると、全線開通の目処は立っていないものの、地元住民からの要請を受けて、部分的な開通を検討しているということです。 (「めざまし8」5月15日放送より)
めざまし8