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いよいよ今週に迫ったドラフト会議。ドラフトは、各球団のスカウトが、1年間全国を駆けずり回って選手を見てきた努力の集大成。今年は一体どんなドラマが生まれるのか。 【一覧】プロ野球「最も愛された監督ランキング30」最下位は、まさかの… 過去に6年連続最下位と歴史的な低迷を続けていた横浜ベイスターズもまた、2012年にDeNAベイスターズとなって以来、ドラフトでチームを劇的に建て直してきた。優勝こそないながら、CSに初出場した2016年以来、9年間で6回、現在まで3年連続のAクラスと安定した成績を収めている。 横浜DeNAベイスターズとなった2012年から、GM高田繁氏の招聘でスカウト部長を務め、その後、GM補佐、スカウト顧問などを歴任しながら、焼け野原だったDeNAベイスターズの再建に貢献した吉田孝司氏に、ドラフトの真髄について話を聞いた。 前編記事『「一番大事なのは生で見ること」6年連続最下位のチームを劇的に再建…！横浜DeNAベイスターズ元スカウト部長・吉田孝司氏が語った「ドラフトの真髄」』より続く。

「左腕王国」が誕生した理由

――そんな中、2014年の2位には石田健大、2015年1位今永昇太、2016年1位濱口遥大、2017年1位東克樹と単独指名で左腕投手を獲得しました。これが大当たりとなって、その後左腕王国と呼ばれる現在までのDeNAを見事に支えてくれました。 「本当によくやってくれたよね。よく周りから『左腕ばっかり獲って』と言われたけど、これはね、本当にたまたま。高田さんは左投手にはほとんどこだわっていない。力のある即戦力のピッチャーを獲るということが最優先で、1位には抽選で外しているだけで東浜巨、有原航平、柳裕也と右腕も指名しているでしょ。左腕は、『同じぐらいの力の投手だったら左を優先する』というぐらい。当時は各チームの主力で左打者が全盛の頃だったからね」 ――これら左腕の選手たちは大学時代にみんな故障をしていましたが、ケガ持ちのリスクはどのように考えていたのですか？ 「最初の年の三嶋も、今永も大学4年の春は投げられなかった。だけど、いい時の状態は知っているんだよ。石田(健大)なんて高校の頃から見てきているからね。頭の中に入っている。そのうえで、ドラフト前に登板した試合で高田さんと状態を確認して『投げられる』という確信を持って指名しているからね。石田は一年目こそ出遅れたけど、濱口と東なんて一年目から二桁勝つ活躍をしてくれました」