企画から撮影開始までわずか1か月、“奇跡”に“運命”も…『街並み照らすヤツら』Pが明かす放送実現の舞台裏
今作で1つの柱として描かれるのは、結婚7年という年月を重ねた夫婦の関係性だ。「ちょっとなあなあな関係になっている中で、妻の日々の鬱憤(うっぷん)が爆発するとともに、シュン(曽田陵介)という新しい男性が出てきてそっちに気持ちが向いてしまったり、リアルな夫婦の感じが3話から5話へどんどん出てきて、結婚して5年以上経った人たちにすごく共感してもらえると思います。パートナーの大切さを感じるかもしれないし、もしかしたら“一緒にいていいのだろうか…”と思うかもしれませんが、自分に置き換えて見ていただければ」と呼びかけた。 ここには、藤森氏がドラマ作りにおいて一貫している思いが込められている。 「人って、自分のためだけだったらなかなか変わらないし、変われないんだろうなと、すごく思うんです。だから、夫婦もそうですし、仲間もそうですし、いつも近くにいる人が本当に大切な人だということにちゃんと気づけることが、すごく大事だなと。それは正義にとっての彩もそうだし、商店街の仲間たちを助けたいという気持ちもそうです。信頼できる人が隣にいるということが、どれだけ大切なことで、かけがえのないことかを伝えたくて、日々作っています」 今作では異例の制作スケジュールによって、多くの仲間たちによる協力を特に感じているだけに、その思いは一層込められているようだ。 ●藤森真実 1983年生まれ、千葉県出身。早稲田大学卒業後、07年に日本テレビ放送網入社。バラエティ制作からスタートし、『行列のできる法律相談所』『人生が変わる1分間の深イイ話』『メレンゲの気持ち』『ニノさん』『しゃべくり007』などを担当。ドラマ制作に異動し『ハコヅメ ~たたかう!交番女子~』『祈りのカルテ』『Dr.チョコレート』『となりのナースエイド』『街並み照らすヤツら』などをプロデュースする。GP帯ドラマ初担当の『ハコヅメ』は第48回放送文化基金賞でテレビドラマ番組最優秀賞、個人でも2022年エランドール賞プロデューサー奨励賞を受賞した。
中島優