企画から撮影開始までわずか1か月、“奇跡”に“運命”も…『街並み照らすヤツら』Pが明かす放送実現の舞台裏
■森本慎太郎のキャスティングは「本当に奇跡的なこと」 主人公・正義役の森本をキャスティングできたのも「本当に奇跡的なことだったと思います」と振り返る。 「主人公は本当に商店街にいるような普通の青年なので、皆さんに親しまれている人がいいなと思ったときに、『だが、情熱はある』での山里(亮太)さんの役や、『ザ!鉄腕!DASH!!』で体を張ってみんなで頑張る姿も見ていて、この役に合っていると思ってオファーしたら受けていただきました。通常であれば、顔合わせの2~3カ月前にプロデューサーが会って話をした上で…という感じなのですが、それもないのに快く“頑張りましょう!”と言ってくださって。本当に感謝ですし、現場を引っ張ってくれているので、本当に素晴らしいです」 ケーキ屋の店主役ということで、本業の職人からケーキ作りの特訓も受けたが、「ものづくりが得意な方ですぐに習得していったので、そこもさすがだなと思って見させていただきました」と、限られた期間でモノにした。
そんな正義の妻・彩を演じる森川葵についても、「気の強さと、引っ張ってくれる感じがありながら柔らかさがあり、悲しみも表現できる人はなかなかいないなと思っていたときに、森川さんがいいなと思ったんです。森本さんとは『ナンバMG5』(フジテレビ)でご一緒されていたので、夫婦という芝居感を短期間で出しくれました」と、見事にハマった。
ベテラン名コンビが急ピッチで脚本執筆
近年は各局で連ドラ枠が急増し、ただでさえキャスティングの難易度が上がっている中で、ほかにも、月島琉衣、浜野謙太、吉川愛、曽田陵介、萩原護、宇野祥平、皆川猿時、伊藤健太郎、船越英一郎という、クセ者だらけの登場人物を演じるにふさわしい役者陣のブッキングに成功。「スケジュールの合間を縫って出てくださっている方がほとんどなのですが、内容の面白さを含めて、“これだったらやりましょう!”と参加してくださったので、本当にありがたいです」と感謝する。 顔合わせからクランクインまで、わずか10日。当初はセリフを覚えるのも苦労が見えていたそうだが、「脚本の高田(亮)さんと清水(匡)さんが急ピッチで打ち合わせして書いてくださって、2話の放送時点で6話ぐらいまで出来上がっているんです。なので早く台本を渡して、皆さんも先が分かった上で演じることができていると思います」とのこと。 それができるのは、脚本を担当するベテランの2人が数十年来の仲で、様々な作品を共に作ってきた関係値がある。「おかげで、役者の皆さんに台本の部分だけは苦労をかけないようにできていると思うので、あのおふたりに脚本を書いていただけたことも、運命だなとすごく感じています」と感激した。 ■タイトな期間も書き下ろしの主題歌を選択 ドラマの主題歌に、イメージに合った既存の楽曲を使用するケースは珍しくない。それでも今作は、タイトな準備期間にもかかわらず、ササノマリイに書き下ろしを依頼し、「窮鼠(きゅうそ)」がエンディングに流れている。そこには、どんなこだわりがあるのか。 「こんなに時間がない中で悠長なことは言っていられないはずなので、有り物の曲でも全然良かったのですが、ドラマは、主題歌とともに一緒に認知してもらうほうが、やっぱり大事だと思うんです。なので、ちょっと無理を言って作っていただきました(笑)」 ササノは「あらすじを見せていただいた時点で、“これは好きなやつだ…”となり、この作品に寄り添える曲を…と作らせていただきました。個人的な部分ではありますが、今回制作するにあたって“自分が楽曲制作でやってこなかったことをたくさんしよう”と追い込んでみました」と思いを語っている。