企画から撮影開始までわずか1か月、“奇跡”に“運命”も…『街並み照らすヤツら』Pが明かす放送実現の舞台裏
■森本衝撃の商店街セット「何者だ!?」 撮影については、スケジュールの都合も考え、「スタジオで撮れるものは撮ってしまおう」という姿勢。そこで、ケーキ屋「恋の実」周辺の商店街の一角を、美術セットで建てた。森本は「街一個作ったのかと思いました。コンクリート敷いて、電柱も立って、電線も通って、それをこの期間で作ってるから、(美術スタッフは)“何者だ!?”と思っちゃいますよね(笑)」と驚きを隠せない様子を見せていた。 藤森氏は「普通だったら1話・2話の台本を作ってから美術打ち合わせですが、企画書の段階で“こういうものが欲しいんです”とご相談したので、美術スタッフの皆さんもこんな経験はないと思いますが、“何より一番大事なのは、ちゃんと放送できるということだ”という思いで作ってくれました」と振り返る。
一方でロケを行う場合は、都内の商店街をメインに、その近場の公園などを利用。これにより、時短効果に加え、「本当にリアルなコミュニティで起こっていること」が映し出されている。
バラエティ制作の経験も生きる「何とかなるでしょ!」
こうして急ピッチの作業で無事放送にたどりつくことができた今作。藤森氏は以前、バラエティの制作現場にいたが、「バラエティは、急にゲストが決まって新しい企画を立ち上げなきゃいけないということが結構当たり前で、それがどんどんやってくる感じがあるんです。さすがに今回、ゼロから立ち上げて1か月でクランクインというのは焦りもありましたが、“何とかなるでしょ!”という気持ちで取り組むことができたのは、バラエティの経験があったからかもしれません」と分析する。 また、すべてのキャスト・スタッフから、「自分1人が欠けたら作れないんだ」という高い意識と熱気を感じながら制作しているという。 「もちろんどの作品でも皆さん熱い思いはあるのですが、普通のドラマは毎回チームが代わり、最初は探り合っていてだんだん仲が深まっていく感じのところ、今回は最初の時点で“これは頑張って放送して、みんなでいいものを作るんだ!”というプロジェクトの感じがありました。だから最初からコミュニケーションが取れて、誰一人文句も言わず、とてもいい現場だなとすごく思っています」 そして、今回の経験を通して、「この作品は、私一人が頑張ろうと言っても絶対に作れませんでした。周りの人をいかに信頼できて、信頼してもらえて作っていくかというのが、ドラマはバラエティよりも大事だと思うんです。これからも、周りの人たちに信頼を持ってもらうために、感謝して頑張らなければと、改めて気付かされました」と、思いを新たにした。 ■ドラマ作りに込める思い「信頼できる人が隣にいるということ」 きょう11日に放送される第3話には、伊藤健太郎が久々に地上波ドラマに登場しており、「正義の運命に関わる人物として出てきて、新たにドラマを引っかき回していく役どころなので、ポイントです」と予告。また、「正義は本当にいい人だったのに、一度悪い方向に行ってしまうとそれがどんどん加速していくので、どこまで進んでどうなってしまうのかにも、注目して見ていただけたらと思います」とも語る。