リンゴ選別、大型機で毎秒8個 1ミリの傷も見逃さず 青森の選果場
オランダの選果機メーカー、GREEFA(グリーファ)社の大型選果機が、青森県弘前市のリンゴ選果場に国内で初めて導入され、13日に報道陣に公開された。カメラ20機を内蔵して外観検査を自動化、毎秒8個選別する性能がある。導入した業者は、個々の農家が担ってきた選別作業を集約することで品質安定や農家の負担軽減につながるとする。 【画像】 機器内で撮影した画像で等級を判別 導入された選果機は、ベルトコンベヤー上で回転させながらリンゴの周囲360度の画像を150枚撮影、色やサイズ、糖度の他、傷やさび、へこみを自動で判定する。モモシンクイガの幼虫の侵入痕といった1ミリ程度の傷も選別できる。 全長約50メートルで、設置工事などを含めた導入費用は約3億円。農産物の生産や国内外での販売を手がける日本農業(東京都品川区)が導入し、9月下旬に稼働を開始した。出荷されたリンゴを作業員がベルトコンベヤーに1個ずつ載せると、36ある等級に自動で選別され、作業員が段ボールに詰める。従来は100トンの選果・梱包(こんぽう)に20人で約40時間かかったが、40人で9時間程度で済む。 同社の選果機は欧州の他、米国やアジア、アフリカなど数十カ国で導入され、かんきつや梨などにも使用できる。同社エンジニアのミフュー・クーベイ氏は「他国と異なり直径10センチを超えるリンゴも多いが、問題なく画像判別できている。導入先のニーズに合わせて精度などを調整できる」と話す。
日本農業新聞