宇宙人の「声」を探すプロジェクトがスタート。使うのは超広視野の電波望遠鏡
地球外生命体の発見をミッションとする非営利団体SETI協会、カリフォルニア大学バークレー校のSETIリサーチセンター、そして国際電波天文学研究センターが協力して取り組むプロジェクトがあります。使うのはオーストラリアにある電波天文台「マーチソン広視野アレイ」。
宇宙人からのシグナル探し
このプロジェクトで探すは、宇宙人の声、信号です。 知的生命体がもしいるとして、彼らもまた自分たち以外の知的生命体を探しているとして…。いや、もし仮に探していなくても、彼らも技術的進化を遂げており日常的に何かしらの電波を発しているとしたら…。そのシグナル=メッセージは、地球でも検出できる可能性があります。信号をキャッチする可能性をより広げることができるのが、広視野の電波望遠鏡です。 このマーチソン広視野アレイは、おしゃれオブジェのような形をした4096本ものアンテナでできた設備。金属の蜘蛛の隊列のようにも見えます。この広い視野を活用すると、2800もの銀河を1度にスキャニング可能。
広い視野で観測する利点
銀河系内に限ると、地球から4光年から10万光年の距離に星が散らばっています。が、これをもっと広げ銀河系の近くにあるエリアにも目を向けるのがマーチソン広視野アレイによる観測。200万光年から3000万光年ものエリアを調査対象とすることができます。 研究論文について、チームは以下のように語っています。 地球外知的生命体の痕跡探しにおいて主となるチャレンジの1つに、観測できるスピードが挙げられます。マーチソン広視野アレイによる広い視野をもってしても、宇宙でカバーできるエリア、そして同じエリアを観測できる頻度は限られてしまうのです。 となれば、1度に観測できるエリアが広ければ広いほど、宇宙人からのメッセージを聞き逃す可能性は減るということに。 マーチソン広視野アレイを用いた調査は、実は過去にも実施されています。が、現時点で宇宙人の存在が明らかになっていないことからわかるように、地球外知的生命体からのメッセージの発見には至りませんでした。今回のプロジェクトも過去同様に失敗に終わる可能性はありますが、それでもやってみないとわからない! マーチソン広視野アレイのほかにも、アメリカの電波望遠鏡カール・ジャンスキー超大型干渉電波望遠鏡群や、南アフリカの電波天文台MeerKATなども、宇宙人探しの手助けになります。 チームの研究はオンラインで公開されています。 Source: SETI Institute
そうこ