ゲイの「結婚相談所」ってどんなところ?隠さざるを得ない社会で「安心して楽しめる」お見合いの形【いいふうふの日】
コンサルタントの宮田実奈さんは、結婚の平等訴訟の判決(東京高裁1次、東京地裁2次)を傍聴し、Podcast『ゲイ婚活おしごと記。』で発信。仲の良い親に「パートナーができても、紹介しなくて良いよ」と言われた会員の話を交えて、「同性婚を認めてほしい」と語る回には大きな反響があった。 世の中には「『同性婚には興味がない』ゲイの人もいる」として、法整備に反対する意見もある。 宮田さんは「この仕事を通し、多くのゲイの方は結婚だけでなく、例えば自分のことを話すなど、きっと異性愛者にとっては当たり前のことも、『できないことが前提』で生きていると感じてきました。(現状も変わるのではと)期待することはしんどいことでもあるからです」と話す。 「成婚して初めてパートナーシップ制度を考えるカップル様もいらっしゃって。『興味がない』の背景にある、諦めた方が楽だと思わせる社会の存在を、忘れてはいけないと思うんです」 田岡さんには、夢がある。それは「同性同士で手を繋いで歩いていても、誰も好奇の目で見ない世の中を見届けること」だ。 これまで結婚式をした成婚カップルが、1組だけいた。普段は同性パートナーがいることを隠しているが、式に参列した後、多くの人目がある中で、タキシード姿の2人が式場の外まで田岡さんを送ってくれた。「気にしなくて良いよ。僕らはもう、大丈夫だから」と声をかけてくれた。こんな光景を増やしたいと思った。 そのために、法制化を求めて声を上げ続ける。ただ50歳の田岡さんは、男女雇用機会均等法があってもまだまだ「男性優位」だと感じる社会を生きてきた。「残念ながら法律だけでは変わらない部分もあると感じているんです」と話す。 だから「これからも、幸せいっぱいなカップルを誕生させたいなって」と笑みを浮かべる。 この仕事を始めたのは2016年。この8年で同棲したり、仲の良い人にパートナーの存在を伝えたりする人が増えてきた。そういった姿を見たり聞いたりすることで、身近な人の認識も変わっていくかもしれない。 そんな「種まき」の積み重ねがいつか、「セクシュアリティに関わらず、誰もが大切な人と幸せに暮らせて、周りにも祝福される」、そんな未来につながると、信じている。 〈取材・執筆=佐藤雄(@takeruc10)/ハフポスト日本版〉