久保建英、物議を醸すパフォーマンス だがその「憤激」がスーパーゴールを生んだ
8月24日、レアル・ソシエダ(以下ラ・レアル)の久保建英(23歳)は、エスパニョールとの敵地戦で控えスタートだった。67分に交代出場すると、定位置の右サイドに入っている。そして80分、右サイドから鋭くドリブルで切り込み、左足で1-0の勝利に結びつく得点を決めた。 【画像】サッカー日本代表 2026年のメンバーはこうなる! 識者が予想 「ベンチスタートは驚きで、久保が気に入るはずもなかった。怒りとともにピッチに入り、決勝点の主役となっている。右サイドからカットインするプレーで、エスパニョールのGKを打ち抜き、スーパーゴールは勝ち点3を意味した。ユニフォームの名前を見せつけ、名誉を回復。イマノル(・アルグアシル監督)へのメッセージだったか?」 スペイン大手スポーツ紙『アス』は、久保が控えだったこと、途中出場でのゴールを高く評価し、物議を醸すゴールパフォーマンスについても言及している。 久保はゴール後、祝福に来たチームメートたちをはねのけ、喜びを共有しようとしなかった。そしてベンチの近くでスタンドに背中を見せ、両手でユニフォームの肩のあたりを釣り上げた。表情は怒っていたようで、それは彼らしいパフォーマンスだった――。 控え目に言って、ゴール前後の久保は怒っていた。 「怒りで我を忘れるな」 日本ではそう体のいい指導をすることがある。それはひとつの定石だが、真理ではない。ラテンの国の選手たちは、多かれ少なかれ、怒ることで集中力を最大限まで高める。怒ることでトランス状態に入る。アスリートのゾーンにも近い。誰が何を言おうが、何をしてこようが、味方でさえ、"自分に従わないなら必要ない"となぎ倒す覇気というのか。日本的に言えば「覚悟」と言い換えられるかもしれないが、もっと血なまぐさいものだ。 「Rabia」(ラビア) スペイン語で「激怒、憤激」を意味する。それはプロサッカー選手として成功するため、スペインでは不可欠なものと言われる。とりわけ、アタッカーのポジションで「Rabia」を表に出せない性格は致命的だ。