【BOM】吉成名高「相手にとって不足はない選手なので気合が入った」“凶器のヒジ”を持つフランス人を迎撃「相当タフな試合展開になる」
2024年12月1日(日)神奈川・横浜大さん橋ホールにて開催される、Rajadamnern World Seriesの第4回日本大会『RWS JAPAN』(U-NEXT配信)。 【写真】華麗なミドルキックを放つ名高 同大会のメインイベントで、ラジャダムナンスタジアム認定スーパーフライ級(-52.16kg)王座防衛戦を行う名高・エイワスポーツジム(=吉成名高/エイワスポーツジム)のインタビューが主催者を通じて届いた。当初はラック・エラワンが挑戦者に決まっていたが、ペットヌン・ペットムエタイジム(フランス)に変更。WMO世界ランキングではラックよりも上位にランクされている強豪だ。 ■防衛記録も塗り替えられたら ――前回10月のBOMではクンクメールからの刺客ボーン・ポンレックから3RKO勝ちでした。 「やる前からクンクメール陣営は本気で勝ちに来ると聞いていて、対抗戦初戦の朝陽がドローだった結果を見て、本当に国・競技を背負って戦ってきているんだなと。自分も一筋縄じゃいかないかなと思ったんですけど、試合が始まってからは冷静に対処ができました。1R序盤にいきなり飛び込んでの前蹴りや後ろ蹴りは独特なリズムだったので、ちょっと見づらかった部分はありましたけど、冷静に対処できましたし、腹を効かせてスタミナを削っていき、最後はフィニッシュに繋げる作戦がハマったかなと思います」 ――圧勝でしたが、戦ってみた感触としてはクンクメールではどのレベルの選手だったと思いました? 「映像をいくつか見ても負けた試合はなかったので勝率は高いのかなとは思ったんですけど、蹴りの威力はいつも戦っているタイ人選手の方があったと感じました。でも、リズムが独特なので僕と戦ってきたタイ人のトップクラスの選手とやってもいい試合になるんじゃないかなという感じはしましたね」 ――独特なリズムというのは具体的にタイ人選手とはどう違ったんですか。 「攻撃のタイミングが違いましたね。あと、避け方は力が抜けたような避け方だったので的を絞りづらいというか、上手く当てられない感じが何度かありました。あと、運動神経が凄く良く、自分の上体を結構うまく使ってダメージを逃したりとか、そういう動きがすごい長けている印象を受けました」 ――クンクメールの選手は気持ちが強いとも言われてますよね。 「そうですね。やっぱり、僕も最後に倒し切ったわけではなく、スタンディングダウンで終わった形でした。ただ相手はもう攻撃を返せる状態ではなかったので、あそこでストップしたレフェリーの判断は間違ってなかったとは思うんですけど、倒し切れなかった面も含めてこっちも疲れました(苦笑)」 ――3vs3対抗戦の先鋒戦で出た朝陽選手のドローを見て相当焦りました? 「そうですね。僕も試合を見ていて1Rで朝陽が倒せると思っていたのですが、2Rの後半くらいからちょっとやばいんじゃねという空気が出ていましたよね。朝陽も倒せる気満々でいって力を使い切っちゃった部分があったと思うので、そこの配分を間違えたところはあると思うんですけど、それを差し引いても、対戦したトゥン・パント選手はすごくタフだった印象はありますね。その後、中堅戦の竜哉の試合ももしかしたら長引く試合になるのかなと思ってゆっくりアップしていたら、1Rで竜哉は倒していたのでマジか! と試合の準備をしながら焦りました(苦笑)」 ――今後もまたクンクメールとやってみたいと思いますか? 「やっぱりムエタイ代表として負けちゃヤバいという緊張感は凄かったので、もうお腹いっぱいです(笑)」 ――今回の勝利はカンボジアでも話題になっていたりするのでしょうか? 「どうなんでしょう。カンボジアの格闘技ニュースを見る手段がないので何とも言えないですけど、対戦したクンクメールの選手たちはカンボジアの国旗を背負って入場してきたり、試合後はクンクメールのTシャツを僕にプレゼントしてくれたりとか、3選手全員がクンクメールという競技に誇りを持ってリングに立ったんだろうなというのはすごく感じました」 ――次の試合に関しては、当初対戦が決定していたラック・エラワン選手からペットヌン・ペットムエタイジム選手に変更になりました。 「ペットヌン選手はスーパーフライ級での試合経験は1、2戦くらいだったので、いつか戦うのかなぐらいには思っていた選手で、まさかこのタイミングで組まれるとは思ってもいませんでした。僕が判定で勝ったプレーオプラーオ選手にはヒジで斬り勝ってドクターストップによるTKOで勝ってますし、相手にとって不足はない選手なので気合が入りました。しかもムエタイ全体の最新のスーパーフライ級のランキングでは、ラック選手よりランクが上なのでタイでも評価されている選手だなと。そういう相手にいつも通りの完勝を見せられれば、またタイにもいいアピールになるし、気合はすごく入っています」 ――選手としてはどういう印象がありますか。 「頭を使って戦うというよりかは、ヒジ、パンチで前に出てくる圧力と力、スタミナがすごくあるなと。日本ではすごく受けるタイプのファイトスタイルだと思うので、それを僕は受けて立つつもりで挑み、全部カウンターを合わせて体力だったり、技のキレでも上回って倒せるとは思います。僕はスーパーフライ級でも最近KO数も増えてきて、パワーが上がってる実感は自分でもあるので、自分の攻撃が当たればしっかり倒し切れるんじゃないかなとも思います」 ――フランス出身ということですけど、欧州系特有のフィジカルの強さもありそうですよね。 「そうだと思いますね。めちゃくちゃバキバキな身体でしたし、スーパーフライ級に階級を上げたばかりですけど、背は僕よりも高く、体の大きさも多分、僕よりあると思うので、パワーで勝負するというよりかは技のタイミング、キレ、スピードでダメージを与えていこうかなと」 ――試合まで残り1カ月を切って突然の対戦相手の変更となりましたが、対策の修正は問題ないですか? 「公式の発表は遅れてしまいましたけど、少し前から決まっていたことだったので、そこからすぐタイ人の先生や中川会長と相談して、相手がやってくるであろう動きを教えてもらって、その動きに合わせた動きを自分も今練習しているのでイメージもかなり固まっています。かなり相手選手も気合が入ってるという話を聞いたので、相当タフな試合展開になるんじゃないかなと思います」 ――KOするイメージもできあがっているんですか。 「何個かこの技が当たるんじゃないかというのは考えているので、それがハマれば倒せるかなと。ペットヌン選手が倒されている試合をまだ見たことがなく、ここ最近はもうずっと連勝してとにかく勢いがある選手なので、そこで僕が勝って、彼にとっての壁になりたいなと思います」 ――記者会見では今後戦いたい相手として、ラック選手のほかにクンスックレック選手と、石井一成選手に2度勝利しているパントー選手の名前をあげてましたね。 「クンスックレック戦に関しては変わらずお互いの中間の契約体重でやりたいですし、バントー選手とは一成君の敵討ちの意味も込めてやりたい気持ちはあります。前回、タイで行われたRWSでは(伊藤)紗弥ちゃんと一成君が負けてしまったんですけど、やっぱりタイでやるタイ人は日本で戦うものとは違う強さを出して来るので、僕もまたタイでやっていきたいですね」 ――今回3度目の防衛戦ということですが、最多防衛記録は何回になるのでしょう? そういう記録も狙いますか? 「調べてみないと最多防衛記録は分からないのですが、スーパーフライ級は適正階級なので、この競技を辞めるまでずっと防衛し続けるのもありかなとは思います。でも、ちょっと調べてみて最多防衛記録が15回とかだったらやりたくないです(苦笑)」 ――15回だと多すぎますか(笑)。 「そうですね。またタイでも防衛戦をしたいとも思っているので、防衛記録も塗り替えられたらいいですね。僕は常に向上心を持って、本当にムエタイという競技が好きで毎日毎日いい練習ができていてどんどん強くなっている自信があります。スーパーフライ級だとタイでも僕が一番強いとみんなが思ってくれているとは思うんですけど、今回ペットヌン選手からいい勝ち方をして、それに拍車をかけたいと思います」 ――では試合を楽しみにしているファンにメッセージを。 「今回3度目の防衛戦でペットヌン選手というスーパーフライ級でトップ5に入るような選手とやらせてもらうので、そこでまた会場が盛り上がるような熱い試合を見せた上で圧倒的な勝ち方を見せます。この階級では、僕が紛れもなくトップだと胸を張って言えるような試合をしますので、皆さん応援よろしくお願いします」
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