《便秘、冷え、不眠、がんリスクも》「腸カビ」と「ゾンビ腸」とは? あらゆる不調を引き起こすメカニズムと対策を医師が解説
抗生物質は使いすぎに注意
腸内細菌のバランスを乱す恐れのある抗生物質は使いすぎに注意。処方されたら医師に相談してみよう。 「もちろん、病状によっては抗生物質が必須なこともあるので、自己判断で服用を中断してはいけません。“お腹を壊しやすいので心配なのですが、どうしてものまないといけませんか”などと、確認してみてください。抗生物質をのんでいる間は、普段以上に甘いものや超加工食品に気をつけて過ごしましょう」 もちろん、発酵食品や食物繊維などの腸活食材も積極的に摂るべきだ。 「腸活食材の代表格のヨーグルトは、選び方が重要です。乳酸菌も大切ですが、日本人の腸には、腸内環境を整える酢酸や乳酸をつくるビフィズス菌の方が合っている。乳酸菌はどのヨーグルトにも入っていますが、ビフィズス菌はすべてのヨーグルトに入っているわけではないので、よく選んで購入してください。 ヨーグルトは、乳酸菌やビフィズス菌のえさになる食物繊維やオリゴ糖と一緒に食べるとより効果的で、おすすめは『大根おろし×はちみつ×ヨーグルト』。大根のシャキシャキ感とはちみつの甘さで、まるでりんごヨーグルトのようにおいしく食べられますよ」(小林さん)
腸活食材の食べすぎに注意
ただし、やりすぎは逆効果。いくら腸にいいものでも、過剰摂取はかえって腸カビを増やしかねない。 「酵母や麹も真菌の一種、つまりカビの仲間なので、毎食ヨーグルトを食べ続けたり、肉や魚を欠かさず塩麹に漬けるような極端な食生活は逆効果。食物繊維は善玉菌だけでなくカビのえさにもなるほか、消化に時間がかかって腸に負担がかかり、栄養の吸収を阻害することもあるので、過剰に食べすぎないようにしてください。消化の負担にならないよう、夕食は食べすぎず、寝る3~4時間前には済ませることも大切です」(内山さん) 「腸内環境には発酵食品」とこだわりすぎて、栄養バランスが乱れるほど食べ続けてはいけない。 「どんなに体にいい食品でも、摂りすぎれば毒になるということ。そもそも、ゾンビ腸の主な原因は、乱れた食生活とストレス。つまり、どんな人でもゾンビ腸になり得る一方で、食生活を整えることで対策が可能です。炭水化物ばかり、野菜ばかりにならないよう、どの食材も、摂りすぎず摂らなさすぎず、適度なバランスを意識してください」(小林さん・以下同)