「キャラがないなら四股を踏め」オカダ・カズチカが“レインメーカー”となった理由
プロレスとお笑いの共通点
プロレスに求められる強さにプラスするなにか──。それがレインメーカーというキャラクターだ。 プロレスには、お笑い芸人さんたちの世界と重なるところがあると思う。お笑い界では毎年、新しい才能が現れる。そこから継続して人気を得る人もいれば、いわゆる“一発屋芸人”で終る人もいる。 その後、生き残ろうが、消えていこうが、いずれにしても最初のドーン! と一発、がなくては世に出られない。そのために必要なものの一つは、強烈なキャラクターではないだろうか。 「とりあえず四股を踏め」というTNAのスタッフの指示は適切だった。まず、どういう存在かをお客さんに伝えろ、ということなのだ。 実力があれば、さらにキャラクターも活かされて、それはやがてブランドになる。カリスマ性のあるレスラーへのプラスのスパイラルが生まれるわけだ。 レインメーカーはあのスタッフとの会話がなければ生まれなかった。 今の新日本プロレスの顔ぶれを見てほしい。それぞれキャラクターが立っているはずだ。マッチョな人もいればポッチャリな人もいるし、マスクマンや怖そうな人もいる。それぞれの個性が光り、それぞれの闘い方があり、おたがいのキャラクターを殺し合うことなく競い合っている。 これはたぶん、多くの職業に共通する。たとえ会社内でも、どんな業種でも、まずドーン! と一発かまさないと、みんな意見を聞いてくれない。実力が問われるのはその後だ。
TEXT=オカダ・カズチカ