ゴルフは天候の確認が欠かせない…台風、雷、自然の脅威に対してできることは?【原田香里のゴルフ未来会議】
ゴルフを愛するみなさん、こんにちは。原田香里です。大型で速度の遅い台風10号は、日本列島に大きな被害をもたらしました。10号だけでなく、被災された皆様、心よりお見舞い申し上げます。 石川遼のボールはどこ? 地面にスッポリ…【写真】 季節柄、台風や雷が来るのは仕方がないとはいえ、台風の進路も、その影響も年々傾向が変わり、大きくなっている気がします。自然の脅威の前に人間ができることは限られますが、できるだけの準備をして備えたいと思います。 きょうはそんな自然とのおつきあいのお話を。プレーそのものはもちろんですが、全国各地、時には海外でプレーする機会も多いプロゴルファーにとって、天候を気にすることはとても大切です。 試合を行うかどうか、は基本的に自分で決めることはできないので、与えられたコンディションのなかでいかにいいプレーをするか、を考えます。その土地ならではの天気の傾向などがあるようなら、それにも耳を傾けます。 “きょうは雨になりそうだから、グローブを多めにバッグに入れよう、レインウェアを含めた雨の準備をしっかりしよう”というのはほんの序の口。“きのうたくさん雨が降ったからランは出ないけどグリーンはよく止まるから積極的に狙って行こう”などというのも基本中の基本です。プレーだけでなく、ホテルからコースまで行くにも、早めに出発するとか、安全な道を通ることを考えることもあります。 試合の前後の移動となると、さらに大変です。みなさんが遠くに出張するときのことをイメージしていただくとわかりやすいかもしれません。荷物を宅配便で送るには、1日早く集荷を頼む。交通情報は敏感にチェックし、新幹線や飛行機が止まるようなことが予想されるなら、動いているうちに移動するか、他の手段を考える、というのもごく普通に行っています。 車での移動も、安全な道を選び、所要時間を多めに計算します。自分だけでなく、周囲の人の動きとも関係があることなので、慎重になるのです。昨年からJLPGA(日本女子プロゴルフ協会)がヤマト運輸さんと提携してトーナメント会場から次の会場まで、ゴルフバッグを運んでくれるサービスは、そうしたことを考えると本当にありがたいと思います。 ラッキーなことに、私はいままで、さほどひどい目に遭ったことはないのですが、ついこの間、飛行機のなかに4時間、閉じ込められました。宮崎空港を出発する際に「羽田空港で雷雲発生」という情報はあったのですが「つく頃にはどこかに行っているだろう」という軽い気持ちで搭乗しました。幸い、羽田空港には予定よりやや早いくらいに着陸したのですが、ここからが大変でした。まだ雷雲が頭上にいて危険なため、地上のスタッフを避難させているため、作業ができない、というアナウンスがあったのです。 つまり、着陸はしたものの、そこから動けない。そんな飛行機が空港にたくさんいたことになります。雷雲が動いて、地上作業が再開されたあとは順番待ちです。「(ゲートに降りられるのは)あと〇機目です」というアナウンスが何度もされていましたが、私たちにはどうすることもできません。また雷雨という状況のなかで地上スタッフのみなさんが一生懸命作業して下さっているのを待っているしか術がありませんでした。 無事、順番が来て飛行機を降りたのは、着陸から約4時間後。それでも、空調の効いたあまり混んでいない機内で、携帯の充電をしながら待っていることができたのはツイていたほうでしょう。 できるだけ準備をしておくこと、慌てず情報を集め、先々を考えながら冷静に対処すること。人間、一人ひとりができることはそれくらいしかありません。移動が多ければ多いほど、さまざまな状況に直面しますが、ジタバタしても始まらないので落ち着いていたいと思います。皆様も、どうぞご安全にお過ごしください。